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Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙

malicosmos.exblog.jp

「つなぐ」「つくる」「つたえる」「とどける」 これが自分の仕事のキーワード

せっかく2月末に一念発起して、ブログを再開したので、できる限り、備忘録残しをしていこうと・・思ったがすでに折れそう。
2016年度のまとめに変えて・・というつもりの前回だったが、全然収まりきってない3月だった。
2016年度、大学講義も含め、講演、公演・イベントに費やした日数は156日、講演や投影回数にするとおよそ400回。たくさん動き、
たくさんの方に出会って、気づき、毎日がドラマ。

3月は週末ごとに、八ヶ岳、東京、愛知、大阪、東京、山梨、長野、東京、兵庫という予定が入り、それ以外にもプラネタリウム番組を収めるという仕事もあったり、もちろん確定申告もあったり、娘の小学校卒業もあり、怒濤の2016年の締めくくりに激し過ぎる月であった。そしてそして、めっったにひかない風邪をひき、こともあろうにこの仕事にして致命的な「声がでない」状況となってしまった反省の月でもあった。

★本があって
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 拙著「人はなぜ星をみあげるのか」の最初の企画段階のころ、編集者の方が、「名刺代わりの本は必要でしょう」と言ってくださった。出会ってもらった方に読んでいただけると、それまで話をしていたことがまた深く納得してもらったり、共感してもらったりができる。逆に、出逢いを生み出してくれもする。
 キープ協会での講演のとき、キープの職員の一人である伊澤さんが、オリジナル帯をつけた私の本を持ってきてくれた。彼女オリジナルで、ふれあいセンターに展示してくれているという。大感激。この帯できっと「八ヶ岳で」私を見つけてくれる人がいたらこんなにありがたいことはない。

2月の「つなぐ人フォーラム」のときに出会った奇二さんと、「星野道夫」というキーワードが出た瞬間に、本を差し出す。その出会いは、さらなる出会いを生み出し、奇二さんとその先生である濁川さんが、八ヶ岳まできてくださった。星野道夫の言葉を心理学アプローチで研究してしまった濁川先生。その論文は、今、ちょっとゆがんだ意味合いで社会に浸透してしまっている「スピリチュアリティ」という言葉をきちんと定義しながら、星野道夫の言葉がなぜここまで人々に求められるのか、という考察。新しい視点を与えてもらった。それだけじゃなくて、これからプラネタリウムを巡ってのおつきあいもとても楽しみ! 

本からというよりは、ウェブサイトから知ってくださった方が、講演を依頼してくださった。
私のウェブサイトを2時間ほど読み込んで、「今日は、60年生きてきて、5指に数えるような衝撃でした」と
メールをくださった。聞くと、彼女は人生あらゆるステージで、星を見上げてきた人で、そのことをご自身で
とてもよくわかっている方で。いつもそこに星があった、といろんな場面を教えてくださいました。
それをずっとしてきたにも関わらず、「こんなにも知らない世界があったことが衝撃」だったと。
そして、その後、本もあっという間に読んでくださった。あれだけ多くの星を見上げた思い出がある人だからこそ、
意味を掘り下げていくのに時間はかからない。

★「病児のおもちゃケア」
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3月5日に国立成育医療センターで開催された第12回公開セミナー 病院における遊びの環境を考える「病児の遊びとおもちゃケア」は、病児たちによりよい遊びをという想いで集まる方々の集まり。ボランティアスタッフが50名も! そして150名以上の参加者が集まる会だった。
 その中で、調講演させていただきました。病院がプラネタリウムの実践のお話ののちに、space fantasy liveの一人バージョン。講演に先立ち、病児たちのより楽しく豊かな生活のためにさまざまな方面からご尽力されている小児科医の二瓶健次先生が、当方の紹介をしてくださった。拙著「人はなぜ星を見上げるのか」をしっかり読んでくださり、経歴も。
 二瓶先生は、なんと20年以上前からVRを取り入れて、病室にいる子どもたちに動物園体験やらスキー体験やら、授業体験やらをいろいろ考え、そして実践されてきた方。驚きます。そして、当方の講演が終わったあと、「ぼくは動物園をつれてきたりして、病院の壁をぶちぬこうと思ってやっていたんだけど、高橋さんは天井をぶち抜いたんだね」ということや「人は、空と海とに特別な感情を持っている。それはやっぱりいのちの源泉がそこにあるからなんじゃないかなと思います。ある意味、DNAの記憶みたいなもんです。」
 加えて、当方が講演の中で、「いつかプラネタリウム療法という概念をつくりたい、という妄想・・」の話をしたのを受けて、「プラネタリウム療法、絶対やってください。昔、ぼくがやっているのをみて、たいていの人は、それで病院がなおるんですか、といった。新しいことをやろうとすると10%の人は賛同してくれ、30%はみてみぬふり、うまくいけばよかったじゃないか、というけど、失敗するとざまあみろ、という。そして60%は足をひっぱるんです。新しいことをやっていくのはそういうことへのチャレンジ。ぜひ、全国に広げられるように概念をつくってください」とおっしゃって、エンカレッジしてくださった。
 今回の参加者の方々は特に、日ごろから病児たちに触れ合う人たちばかりだったので、その感度が特に高く、「こんなに泣いたのはじめてです。泣かない女だったのに(笑)自分でもびっくり!」という方はじめ、すごいたくさんの感動の声をいただいた。
小児科医のお医者さまも、「自然と涙がでてきて自分でもびっくりしました。かつて、失ってしまった子どもたちの顔が星空の中に続々とでてきたのです。あの子たちに見せてあげたかったと強く思いました。」というメッセージをくださったり。
 次回につながることがたくさんあった、とても貴重な機会を、難病ネットさん、東京おもちゃ博物館のみなさん、ほんとにありがとうございます。

★Space Fantasy LIVE 豊田、大阪、尼崎
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 とよた科学体験館プラネタリウムでのSpace Fantasy LIVE. 河野さんはじめ若手スタッフのみなさんのがんばりや、音響さんのすばらしさや、愛知周辺にいる知人たちがたくさん訪ねてきてくれて、久々の嬉しい再会がイロイロ。別のプラネタリウムでがんばってます、という若い方も、丁寧にカバーをかけた当方の拙著をもって「星は人をつなぐってほんと素敵です」といって声をかけていただいたりと新しい出会いも。
 真人さんの音楽は、いつもプラネの投影でも一人バージョンでも使わせてもらっているけど、でもやっぱり生演奏は格別。こうやってライブができることをつくづく幸せに思う。感想の中に、「何度も感動して涙してしまいました。昨夏亡くなった父と会えた気がしました。」というものも。他にも「みんな星のかけらができているということを実感できる演出が素晴らしかった。高橋さんの語りもさることながら、小林さんの演奏も心に響くものでよかったです。」「今、ここに自分が生きているという意味を知らず知らずに分からせてくださった。」「自分という1人の生命から創大な広い広い宇宙へと誘われていった」「今見えているもの以外の存在に気づかせてくれる解説音楽で良かった」などなど。
 大阪と尼崎は、1月に私が出演していたラジオを聞いてくださった方が、直感的に呼びたい!という一心で実現した企画。電話をいただいたその後にたまたま大阪での講演があり、それを聞きにきてくださってそこから急激展開、な感じ。高齢者住宅での企画だけど、一般の方々へ開放された企画として、たくさんの方がいらしてくださった。なにより、そこのスタッフのみなさんが実に、一生懸命、明るく、気持ちのよいこと! またご縁がありますように。




★Under the Same sky project  
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 Under the same sky project ~心に満天の星空を 山梨と福島をつなぐ~。第一部に、映画「Life」をつくられた笠井千晶さん囲んでのトーク、第二部はメッセージコンサート。その日の前から展示室では多くのアーティストたちの作品展示も。
 笠井千晶さんは、映画をとろうと思って出向いているのではなく、津波で家族を失った福島の家族に出逢って、彼らに逢いにいくために100回も通っている。そして、十分に話をして、時折カメラを向ける。特に、幼い子ども2人を失ったお母さんにカメラを向けるのは、今でもドキドキする、と。トークの合間に紹介したショートムービーは、映画にでてくる上野さんご一家が、亡くなった子どもたちに見せるために、と花火をあげるそのシーン。最後に、空にむかってみんな笑ってください、と上野さんがお願いをする。
 トーク時間のインタビュアーになった律ちゃんが、映画の間、人がしゃべっている時間もいろいろ感じながら聞くのだけど、時折挿入される、海の風景や、空、菜の花畑・・そういう場面で、自分の感情がわっと湧き出てくる。その気持ちっていうのが、今回のこのイベントの気持ちに近いのかな、って。
 ほんとにそうだな、と思う。私たちは社会の中で、他者との関係性の中で生きるけれども、それだけじゃなくて、自分と空と大地をつらぬく、なんというか縦の関係、生命としての自分という立ち位置がきっと必要なんだよね、と。私たちがあそこからきてあそこにかえっていくという漠然とした感覚。それは必ず死を迎える生命にとってすごく自然に備わっている感覚なんだろう、と。
 そんなトークのあとのメッセージコンサート。「ストーリー性があったのがよかった」という感想が多く見受けられたし、もうめちゃくちゃよかった、と言ってくださる方も多数。りっちゃんの歌も素晴らしかったし、最後のあきさんの歌と子どもたちの声も素晴らしい。
 遠くをみながら想像力を失わず、そして、足元でしっかり生きていく。主催者の美保さんが、このイベントに込めているその想いを受け止めてくださった方がたくさんいらした。それにしても、美保さんたちの巻き込み力はすごい。美保さんと欽也さんが、山梨にきてくれて、こんなにたくさんの人たちがハッピーになっている。

 しかし・・この前日の品川でのイベント前に、声がでなくなり、ステージイベントというのに、かなりひどい声で出演するという、あってはならない状態で反省しきり。結局、声のダメ状態は2週間ほど続き、めったに風邪さえもひかないバカのいつぶり??ぐらいの状況であった。

★星の道を
 あいかわらず、星野道夫さんのおかげで人に出会う。「つなぐ人フォーラム」で、たまたまご飯で目の前にいた奇二さん。森林セラピーというキーワードにつづいて、私も研究したいって話のあとに、奇二さんの師匠は、星野道夫の言葉の研究をしてる!という話になり・・手元にあった拙著の星野さんとのツーショット写真をみせ・・しばし興奮続き。そして、その1か月後には、師匠の濁川先生を連れて、八ヶ岳まできてくださった。濁川先生は、星野道夫の言葉を集めて分析し、人々の精神性にとっての自然の立ち位置のことなどなどを考察して論文を出しておられた・・さらに、お会いして、ずっと前から「星つむぎの歌」の絵本を、学生のワークショップの際に使ってきたというのでさらにびっくり! そして、濁川さんや奇二さんとともに、いつか「プラネタリウム療法」という概念を、と思っていることが、何か一歩前に進める予感もあり、超ワクワクであった。
 去年、没後20年に際し、「なぜ今、星野道夫か」という言葉がなんどもでてきたけれど、濁川先生の論文は、それをとても腑に落ちる形で、まとめてくださっている。そして、やっぱり私たちは、人と人のつながりとともに、大いなる自然とのつながりを自身の中にどう位置付けていけるのか、っていうのは、すごく生き死にの問題に関わることなんだ、という想いをあらためて示してもらっているように思う。論文はこちら

★卒業
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3月はいろんな旅立ち。娘の小学校卒業式。元気に、笑顔で、幸せに満ちてこうやってこの日が迎えられるって、なんてありがたいこと。
親子活動での「卒業を祝う会」での親子での手紙交換。お互いに似たようなことを書いてて、ちょっとほっとする。

生きていることに、出会うことに、あらためて感謝、感謝の日々。


# by malicosmos_meme | 2017-04-30 02:13
2004年、娘が生まれて育休をしばしとり、その後、仕事復帰したときからはじめていた
このブログ。そのころはまだSNSなどもなくて、ブログ最盛期? 2010年からfacebookを
使いはじめ、2013年に独立して星空工房アルリシャをたちあげてからは、FBは広報用、
ブログは、毎月1回の振り返りのために使っていた。時折、2か月にいっぺん・・という
ときもありつつ、なんとかがんばって続けていたのだけれど、とうとう、毎月の振り返り
記録が2016年6月分から絶えてしまった。FBについ偏ることと、加えて、おそらく
やっぱりこれまででマックス多忙だった(とその前の年も思ったはずだが)ことがあるの
だけれどそして、ブログは、備忘録としての働きで、その分、あまりに濃すぎたこの1年を
記録に残してないのは、ちょっと自分的にはとても残念に思っている。
どこかで一念発起、と思って残さないと、このかけがえのない1年のことを、すぐに忘れて
しまうかも。まだ思い出せる範囲で、それを振り返るタイミングは、年が変わるとき、
年度が変わるとき、そして誕生日。 書ききれるものではないと思いながらも、どこかですっきり
したくて、誕生日となる。

2016年度、この1年の間の大きな変化、進化、できごと。

★はじめての自著
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科学館の正規職員をやめて独立しようと思ったとき、これまでの仕事をまとめたいと
強く思っていた。いろいろ科学館の中で昔のものとしてうずもれてしまうものが
多いこともあるし、プラネタリウムに携わる人たちに伝えたいこともたくさんあった。
もちろん、生き方として若い人をエンカレッジしたい思いもあるし、星や宇宙を
好きと思っている人へのあらたな視点も。
書いてみて、自分はこんなに文章が書けなかったのか、と愕然としたときが多々。
自己嫌悪になったことも。でも、いろんな人に支えてもらって本が出来上がった。
講演のあと、本を手に取ってもらえることはとても嬉しい。学生も読もうとしてくれる
のが結構いて嬉しい。

いただいた感想でとても嬉しかったもの。

<こだわりのブッククラブ「ゆめや」の店主・長谷川さん>
本を読んでいて時折、書く専門家たちは「おもしろく」「刺激的に」「受けを狙って」という
姿勢があるな!と感じる。もちろん、エンターテイメントだから、そういうことも大切だ。
しかし、嘘臭いものも感じ取ってしまう。行為や思いがともなわない絵空事が描かれると
ディズニーランドの催しものにだまされているような感じにもなる。
だが、たまに、強い思いが現実の行動と一致している本を読むと、こちらの心が揺さぶられる。
先日、そういう本を読んだ。みごとに一人の思いが多くの弱者に寄り添っていくエピソードだ。
作者が実際に行動した結果の物語である。嘘のない、いわゆるノンフィクションだが、
それをはるかに超えているものも感じた。
3・11で心がうつろになった人々、病と闘いながらも心が折れそうな人々・・・その人たちに
星空を見せる・・・人々が星を見上げる・・・現代人がうつむいてスマホばかりみている世のなかで、
星を見る行為は何かを見つめなおすとても良い方法なのではないか、と思った。
現代人はなぜ星を見上げないのか?・・・星を見ても悩みの答えはでないが、
見ることで別のものが見えてくるような気もする。
高橋真理子・著「人はなぜ星を見上げるのか」・・・心にしみた一冊だった。

<詩人・音楽家 覚和歌子さん>(個人的な感想としてくださったものです)
すごくいい本でした。
人と人との出会いとか、存在理由とか、それらの不思議とか、まっすぐで温かい言葉が星々の光みたいに
胸の奥までちゃんと届いてきて、いろいろな立場の人たちを確実に励ましてくれるのだろうなと思いました。
私たちは共に生きている、という泣きたいくらいまっとうな地上感覚が、頼もしい柱となって、天に向かっている。
天と地を結んでくれている。

amazonの書評 にも、いつも応援してくれている大澤さんが素敵にかいてくださいました。
またこの本をきっかけにあらたな本企画もいただいています。ありがたいことです。またまたがんばらないといけません。

★星つむぎの村
公式ウェブサイト http://hoshitsumugi.main.jp/

2016年3月12日におこなった、「「きょうを守る」上映会&星空コンサート―被災地は今―」。
これが、新生・星つむぎの村のキックオフイベントになった。
星つむぎの村という名称は2010年ごろからあったのだけれど、年に1回ぐらいに覚さんたちと
イベントできるかどうか、という感じのものだったところを、あらためて2004年から科学館で
活動を続けてきた「星の語り部」」と一緒になって、一つの柱をつくろう、と。
それと時期を同じくして、ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳の田中総支配人の大きなキャパに
よって、星つむぎの村の拠点の一つができた。プラネタリウムもつくった!
ネオオリエンタルリゾートでの星空イベントも月1回程度というものをやり、夏には「星空縁日」を
実施。そこにいらしてくだった人で、それまでのつらい経験から、少し前をむいたり、歩き出したり
ということができるようになった、という方も。
ネオオリエンタルリゾートでのイベントは14回、被災地には夏に東北沿岸と、秋に福島 と。
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そして2017年2月25,26日(つい先日)、第1回星つむぎの村合宿をやった。去年の3月にも
泊まったり、それよりも前から(2007年から)星の語り部合宿はなんどもやってきたけれど、
今回のものは、いずれ大きくなっていくだろう、「満天の星空に人々がつどい、よりよい生き方と
社会をつなげていく集まり」の旗揚げのつもりだった。
超濃厚な2日間(実質プログラムは昼から昼だったので、ほぼ1日しかなかった)となる。
「星を介したコミュニケーション」がテーマ。
参加者は40名ほどになって、関西から東京から富山から。年齢は1歳から70台まで全世代が。
濃すぎて全部伝えきれないけれど、ある意味、星の下で、人間とは何か、ともに生きるとは何かを
それぞれが学んだ時間だったのだろうと思う。
その詳細はこちらで

星つむぎの村の2年目目標は、
★法人化。
★八ヶ岳x星の星空文化の発信の担い手にしっかりなっていくこと。
★病院がプラネタリウムの運営主体者として全国ネットワークをつくること。

★病院がプラネタリウム
公式サイト(2017年2月にオープン!)http://hospla.net

2016年度は、延べ40回行った。最初の年は15、次が25、そして今年。
回数が多ければその分、出会える数も増える。その分、心動かされる体験も
増える。特に、重度の心身障害の人々の反応の美しさ、熊本のお母さん、看護師さん、
子どもたち。 山梨でのテレビを通しての出会い。
きっといつか、プラネタリウム療法っていう概念が生まれて、全国の病院や支援学校
施設に必要とされるときがやってくる、という確信。そのために何をやらなくちゃ
いけないのか、という道筋。
何があっても、これはライフワークだと決めたのがこの1年でもある。

看護師さんなど、医療スタッフむけの研修も機会がふえ、すごく喜んでもらえている。
そのワークショップの中身も進化を続けている。これは今年、積極的に増やしたいものの一つ。

加えて、製薬系の会社の方々が集まる会に、大学時代の同期が呼んでくれたのも
すごく大きな喜び。そこで出会えた人たちの知性やモチベーションにも感化され。
その直後には、病院がプラネタリウムの第一歩をくださった「タケダウェルビーイング」の
武田薬品さんで、社員向けの講演会をやらせていただいた。社内ネットを介しての
聴講も含めると、300人以上の方が聞いてくださった模様。その感想もすごくいろいろ
いただいた。

テレビでは、朝チャンと、24時間テレビ(山梨県内)での特集が。24時間テレビは、
20分全部私の話題っていう、スペシャルバージョンでした。若きディレクター清水くん、ありがとう。
エピソードはたくさんあるけれど・・とりあえず、なんとか専用サイトに情報をまとめたのでそちらで。
またサイトたちあげと同時に、病院がプラネタリウムリーフレットも作成。
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★公演、ミュージシャンとのコラボレ
2016年の中での講演、公演、移動プラネ、講義など全部あわせると、(たぶん)177日。
一人でやらせてもらうものも多いけど、インパクトの大きさでいえば、やはり生演奏とともに
やってるライブ。

独立する前からはじまった、小林真人さんとのSpace Fantasy LIVE。福岡で2回も大きな
ホールで、そして、横浜で、常陸太田で、やらせてもらった。そして中学時代の恩師にも
呼んでいただく機会も。日芸では相変わらず、学生がもっとも感動した授業と言ってくれる。
全国の子どもたち全員に見せてあげたい、という
声や、宇宙の話でこんなに感動したのは初めてとか、音楽と映像の絶妙なマッチングが
素晴らしいとか、嬉しい感想を毎回いただく。

常陸太田では、呼んでくださったじゅじゅさんの考案で、地元の中学生たちが歌ってくれた。
福岡では、「星つむぎの歌」を子どもたちが。
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スタイルも、ちょっとずつ形も進化して、そのたびに、これもがんばって営業したい、と思うのだけれど。
全部のものがそうだけど、営業している時間がない・・。
相変わらず、ありがたい人のつながりと、口コミのみで(ネットから見つけてくださる方もわずかに)
仕事をしている感じ。

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星つむぎの村の覚和歌子さんと丸尾めぐみさんとやったのは、兵庫県立のじぎく支援学校。
ここは定行先生がいる特別な場所。定行先生との出逢いは、星つむぎの歌。もう8年前のこと。
はじめてのじぎく支援学校にいったとき、真人さんと。そこでもすごく印象的なことが起きた。2年目の移動プラネタリウムでも、自閉症の子が、せまりくる地球をみて、「いのちだ」と言ったり、すごーく目をつりあげて他の子に怒っていた子が、ニコニコになってでてきたり、定行先生は、
「プラネタリウムのドームはまるで、星つむぎの歌絵本のオルゴールみたい」と。ああ、ほんとうにそうだ、としみじみした。そして3年目に、原点である「星つむぎの歌ライブ」を。
かけがえのない時間だった。最後にみんなが星つむぎの歌の合唱をしたとき、指揮をした自閉症の彼のその姿の素晴らしいこと。

 この1年で出会って共にステージにたったのは、ピアニストの太田美保さん。5年前に縁もゆかりも?ない
山梨にやってきて、でも彼女の素晴らしい引力によってたくさんの人を巻き込みながら、「農と食と芸術」の
出会う場所・おととわを主宰している。4月に須玉でやらせていただいた「星につつまれて」コンサートを
かわぎりに、9月には子育て中のお母さんむけに、そして11月には山梨市のホールで。
真人さんとやっているSpace Fantasy LIVEも、美保さんとの「星につつまれて」コンサートもどちらも
体験してくれた知人が、「真人さんのピアノを聴いていると、朝露がこぼれる様子だったり、星のまたたき
だったり、自然の中の命の尊さのようなものを感じて、心震える思いがするのですが、太田さんのピアノは、
当たり前の(本当は当たり前ではないのだけれど)日常の中の些細なことを愛おしく思えるような、子どもを
ギュッと抱きしめたくなる、そんな音でした。」という感想が。いやー神髄! 
おととわの価値観と、星つむぎの村の価値観は、ほぼ共通していて、方法論は違うけど、でも、こんな「同志」が
山梨にいること、あらためて山梨きてよかった、と思える出逢い。
特に、子育て支援としてこのプロジェクトができればなあ、と思う。
おととわの明秀さんがつくってくださったプロモーションビデオはこちら

12月にはリトルプラネットで、岩崎健一さんと。リトルプラネットは、ハンディのあるなしに関わらず
みんなが楽しめるイベント、というコンセプトで行われているもの。岩崎さんのことは10年以上前から
知っていたけれど、ほんとに出会ったのは今回。健一さんへの、マイナーな人たちに寄り添う姿と
その歌には、心奪われる。彼のギターと歌、これにはほんとに魂がある。
そして、歌にはかなわない! と思わせられる何かがある。
そんな彼とのコラボレの中では、彼の描く「可能星人」が宇宙に登場!! これ、すごくいい。
おそらくもっと回数を重ねられることで、できることがもっともっとある。言葉通りの「可能星人」な私たちだった。
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2年前に知り合った、難病の子どもたちに生のパフォーマンスを届ける「心魂プロジェクト」。
一人ひとりに寄り添うそのパフォーマンスは、ほんとうに素晴らしい。
そんな彼らと、2015年にプラネタリウムミュージカル第一弾を、2016年の4月には
ヨガ・太極拳とのコラボレ、そして、9月には甲府でプラネミュージカル第1弾、
11月にはプラネタリウムミュージカル第二弾の新作。
その初公開は、甲府市内の児童養護施設の子どもたちとともに。その子たちが本番までに
星つむぎの歌を練習してくれて、彼らの「ぼくらは一人では生きていけない」のサビは
ほんとうに感動的だった。さらに、年明けて1月の末に行ったプラネタリウム・ハーモニー。
はじめての7mドームで生演奏と一緒におこなう公演。
20年前、大きな20mドームで、お話をし、番組をつくり、ワークショップをやり、
プラネタリウムのもつ無限の可能性を知った。でも、どうしてもそこに来られない人たちのことを思い、
自分から出かけていくようにした。4mの小さいドームは、車座になると20人ぐらいがはいる、
車いすがたくさんはいるとそれよりすくない。でも、みんなで火を囲んでいるような感じや、小さく
でもそこで手に取れそうな宇宙にみんな夢中になる。小さいからこその魅力がたくさんある。
 
今回、20mでも4mでもできなかったことを7mでやった。
NPO法人 心魂プロジェクトの寺田 真実 (Masami Terada)さんたちが、難病の子どもたちにミュージカルや歌を
デリバリーするときに、ストレッチャーや車いす、バギーにのったみなさんが、ほとんど上を見ていて、そこに
星空がでたらいいな、と思い、プラネタリウムと思い始めたときに、私に出逢った。出逢って最初に体験した
心魂(こころだま)の公演は、ミュージックシャワーと呼ばれる、歌い手がお客さんをぐるりと取り囲んで歌う
スタイルだった。これはドームでやったらスゴイことになるなーと思った。
 やったらほんとにすごかった(笑)。ドームの特殊な音環境は、生演奏にどうなのか、最初は
わからなかったので心配だったけれど、マイクも通さない声が(もちろん、歌い手の寺田さんや
岩本 潤子さんの声がとんでもなく素晴らしいということが第一にあるのだけれど)、
天から降ってきたり、耳元でささやかれるように聞こえる。
 「プラネタリウム・ハーモニー」のハーモニーは、もとは「ハルモニア」。自然界の美しい調和。
その調和の中に、みずからを置き、宇宙内存在であることの確認ができる、一番のスタイルだった
ように思う。
 ドームにはいって暗くて怖くて、声をあげて泣いてたバギーにのった彼。ど頭から真っ暗にして、
寺田さんの超低音が響く中・・どうなることやらドキドキと始まったけれども、彼のあげる声が
どんどん恐怖から、反応に、そして喜びになっていくのがわかった。そのうち絶妙なタイミングで
拍手してくれたり、じゅんちゃんの歌声のときには、耳を澄ませていたり。彼もハーモニーの一部だった。
 ほんとに最初は緊張した顔で入っていった車いすの小さい彼も、出ていくときの満面の笑みといったら。
「星つむぎの歌」絵本のオルゴールそのもの。星つむぎの歌も歌ってもった。
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一人バージョンでもっとも「すごい」出逢いだったのは、12月小松ヒルズ。病院がプラネタリウムで、
金沢にいくのにあわせ、石川県で地域と医療者、そのほかたくさんつないでいらっしゃる榊原千秋さんに、
いきますよーと連絡した数日後に、榊原さんが、サイエンスヒルズの副館長さまにたまたま会って、
そしたら、なんとその副館長さんは、数日前に、いろいろ企画を考えていて、私のウェブサイトを
見ていた・・という恐るべしシンクロニシティがまた起きて、直前であるにも関わらず、
いきなり特別イベントを開催してくださった。サイエンスヒルズは、UNIVIEWの入っている
場所! スタッフの北本さんにも事前準備をご苦労いただき、なんと超満員御礼の中で。
小松の館も、榊原さん周辺のみなさんも、とにかく温かく、幸せな時間。
みなさんが残してくださった感想も、「もう一度生きてみようと思った」
「ずっともやもやしていたものがたくさんの涙と一緒に流れていきました」
「人のふしぎを感じて泣きました」などなど深いものが
とても多かった。やっぱり、完全につつまれるドームならではなのかな。
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★ラジオ、テレビ
この1年、ラジオやテレビがだいぶあった。FMFUJIでプロデュースさせてもらったものが2本(下記)、同じくFMFUJIで、池田綾子さんの番組に2週つづけて、しかもクリスマスとお正月にオンエアされる30分番組に。NACK5でビジネスの森という20分番組に2週続けて。これが大阪のCOCOLOFMでも流れていたのを聞いてくださった方が、関西初のspace fantasy liveを導いてくださった。
テレビはやはり、朝チャンと、24時間テレビ(山梨)で、病院プラネのことを扱ってもらって、どちらも、こちらには撮れないすごくいい映像をとってもらったこと。そして人のつながりまでもつくってもらったこと。まとめはこちら

★星野道夫没後20年

47歳の誕生日に―2016年度を振り返って_c0059080_10185415.jpg本を書いていたとき、もうダメ、と思ったことが何回かあったけど、2016年夏に出せたのは、
それは星野さん没後20年だったから。星野さんからつながるさまざまなことが、めぐりめぐって
今の私の多くをつくっている。これはほんとうに確かなこと。
FMFUJIで、特別番組「継いでゆくもの―星野道夫のメッセージ」をつくらせてもらった。
いろんな人たちからの、星野道夫のこの一言・・を募集し、奥様の直子さんにもお話を伺い、道夫さんの生声(未公開もの)も。
 写真展の開催にあわせて、星野道夫につながる人々の中で、サイトや新聞でも紹介してもらった。そこで本を手にしてくださった方が、また新しい企画をもってきてくださった。2001年のオーロラストーリーを作って一段落したのち、もう星野さんに頼らなくても生きていこうと決意した。でも、そういう意味合いとは別の意味で、まだ彼は生きていて、そして彼のおかげでもまた生きている。
 この年、「今こそ星野道夫」という言葉をよく聞いた。そして、何故、今、星野道夫なのかということも取材の中で聞かれた。それは、今の社会にとって、現代の宇宙観を知ることの大切さと、ほぼ同じことを意味するのだろうとあらためて思う。人間社会といったものとは別次元の、大きなものの中に存在する私たちという立ち位置を教えてくれるのは、何より星空であり、大きな自然なのだ、と。朝日新聞の特別展サイトで紹介してもらったものはこちら

★保阪嘉内&宮沢賢治 生誕120年
20160年は、賢治と嘉内生誕120年であり、二人が出会ってから100年という節目だった。
あちこちで賢治に関する企画展が開かれているのもあり、プラネタリウム番組「二人の銀河鉄道―
賢治と嘉内の青春」もまた、埋もれさせたくない作品の一つだった。
山梨県立文学館でも、賢治からの手紙が展示されることもあり、それにあわせて1日のプラネイベントを
企画してくださった。番組と解説と。4mドームで生解説をするのと、一方向的な番組を見るのとでは
窮屈さが結構違うのだけれど・・でも、きてくださったみなさん、大変喜んで大好評だった。
同様にして、北海道文学館も、賢治展にあわせて、プラネタリウム上映を。
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ここは、池澤夏樹氏が名誉館長をやっているところ。賢治・・もだけど、どちらかというと、
「きみが住む星」をぜひやってほしかったというのがあった。 そして、なんとどちらもかなった!
そしてそして、とうとう池澤さんに「きみが住む星」を見ていただけた!
私が書いた文章のところも、自身の作品とシームレスにつながってまったく違和感なし、と
言ってもらえた。


そして、懐かしくて美しい札幌。あらためて「今年」というときに、原点といえるこの場所で仕事をさせてもらったこと、しみじみ感じ入る。2日半の札幌の間、ほとんどの時間はひたすらプラネタリウムに費やされていたけれど、そこに、
大学のサイクリングクラブの先輩、後輩、同期、そのご家族、モバイルプラネを通じての甲府出身の知人、そこから紹介された方、病院プラネに影響くださった方のお仲間と、そこから紹介された方、先日の病院プラネでお世話になったお医者さま、天文教育通じての知人、福島・山梨つながりの友人の友人、札幌のプラネの方、賢治つながり友人の知人、FBつながりの方・・
あらたな、そしてこれからがとても楽しみな出会いも。
 25年前、「そうだ、ミュージアムをつくろう」と思った、その場所だけには行きたいと思い、
朝のほんの10分だけの時間でそこに出向いて座ったら。太陽の光があまりに美しく差してきて、
どうしていいかわからない心のざわめき。文学館のある中島公園、イベントを終えてでると、
ブルーモーメントに輝く金星に、きりっとした上弦の月。沸き起こりすぎるさまざまな想いを手の中に
握りしめておくことも難しい。
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★つなぐ人フォーラム
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どうしたら一人ひとりの想いを社会とつないでいけるだろう? というのが、つなぐ人フォーラムの
合言葉。かな。とにかくすごい面白い人たちが集まるフォーラム。そんなフォーラムの共同代表
やらせてもらっているのが、申し訳ないような、すごい自慢なような。
ものすごい社会を動かす力がここには集まっているのに、それをなかなか可視化できてないことが
共同代表なりの課題。それをなんとかしたい・・と思って、今年はちょっと進んだ。そして10回に
むけて進むはず。全国のあちこちのつなぐ人フォーラムの拠点を、そして、スピンアウト企画を
いろいろと。ウェブサイトも充実させよう!
今回も、一緒に仕事させてもたいたいと思う方やすでに呼んでもらった方などが何人かいるけれど
個人的に嬉しかった出逢いは。
 2008年に放送されたFMFUJIのライトダウン特別番組、科学館10周年、ライトダウン第10回を記念して、平原綾香さんと土井隆雄さんがきて、星つむぎの歌大合唱があったとき。その番組を聞いて以来、ずっと「星つむぎの歌」が一番お気に入りの歌だという方が!! 大感激。
 2009年のつなぐ人フォーラムにいらしていた方が今回久々いらして、出会い直し。そのときには気づかなかったいろいろなことが、互いの今の状況になってあらためてマッチすることに気づく。そしてそのキーワードは星野道夫だった。
 去年の小児血液がん学会で私の話をきいてくださったお医者さんが、ぜひ病院プラネをとメールしていらした。そのお医者さんの患者さんに、つなぐ人フォーラムに以前参加された方の娘さんがいる、ことを別ルートから知る。その方と親しい方と、そのことについて立ち話をしていたら、そのすぐ横にいる方はその病院の近くの科学館の方だった。
ここから何かはじまりそう。

★あれこれ
これでも・・FBを見返していると、まだまだ書ききれないことがたくさん。夜のイベントもあれこれあったし、もちろんライトダウンも。
やっぱりためると最終的には、無理っていうことなのね。
ついこの間の合宿に参加した大学生の女の子が、「この合宿を忘れたくない!と一生懸命書き残していたのだけれど、でもふと思って
このあと自分がどうなるか、っていうことなんだな、と思った。」と。そう、学ぶことは変わっていくこと。
そうやってこちらも励まされた気分になりつつ・・でも、年とっていって、この濃厚さはやっぱり自分の中でも受け止めきれないと感じる。
だから書く。
そして濃い2016年度の締めくくりに、3月もまたものすごいツメツメ。

でも、そうやって生きろ、と言われている。だから精一杯、誠意をもって生きる。

# by malicosmos_meme | 2017-02-28 22:28
この5月は「とんでもなく」抜けていく空に光が満ち溢れる日が何日かあった。それ以外にもとてもよく晴れた。素晴らしい青空、星空に出逢えて、嬉しいことがたくさん、しんどいことが少し、悲しいことも。
 1月に表明したように、本を出すべく、20年以上のことをあれこれ振り返っていた。原稿は、どうも行き詰まりながら書くことが多く、自分がこんなに文章が書けなかったかな、とだいぶ自己嫌悪にもなった。とにかく一度最後までいこう、と書きなぐりをしながら、最後のページを書こうとした日、八ヶ岳に向かった。あまりにも空と山と薫風が美しく、20年前に星野道夫さんがなくなって、自分自身を失っていたときに出逢った八ヶ岳の空を思い出し、今、ここに自分がいてこの風をうけていることに涙が止まらなかった。
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5月13日のこと。あとから、心の深いところでコミュニケーションできる知人のお父さまが亡くなった日だったと聴かされた。同じ日、同じ瞬間に、この地上で起きている物語の多さにくらくらした。それが、この世界。

★病院がプラネタリウム
facebookの病院がプラネタリウムページに記録を残している。こちら
板橋の病院では、はじめてNICU(新生児集中治療室)で、天井に映し出した。ここに小さい赤ちゃんをだっこしたお母さんたちが集まり、一緒に星を見上げた。暗くして投影をはじめてもなお、忙しく動き回っているスタッフが、ライトダウンしたときと、星座をうつしだしたときには、一瞬はっとした空気になってみんなが一斉に見上げたのが印象的だった。
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2か月に1回、通っている国立甲府病院、今回は、2月につなぐ人フォーラムで知り合ったケアリングクラウンの金本麻理子さんとその仲間がたくさんきてくださった。この病院にいるほとんどの人たちは、言葉のコミュニケーションではない人たち。そんな彼らに、笑顔と気持ち、少しの音楽やぬいぐるみなどでアプローチしていく。言葉を超えるコミュニケーションをいろいろ考えさせられた。
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★Space Fantasy LIVE イン大月
山梨県・大月の山間に、登論都というサロンを開いている方がいる。書家の杉本さん。毎年2回開かれるコンサートで、小林真人さんと一緒にSpace Fantasy LIVEを行う。自宅を開放してのコンサートなのだけど、100人も人が集まる驚き。杉本さんの人柄に、人が集まる集まる。。 司会の白川さんは、終わったあとに、「いやーすごいものを見ました!」とお客さんよりなにより先に感想を言ってくださいました(笑)。終わったあとの打ち上げ会もにぎやかで、手作りの山の幸がいっぱい。いわゆるシニアな方がほとんどなのだけど、みんなとにかく元気で、幸せそう。仲間と何かをつくる、生み出す、人間が人間らしく生きるのにとても大切なもの。
ここの杉本さんにたどりついたのも、いろいろ元をたどっていくと、やっぱり星野道夫にいきつく・・。 
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★東京の施設の子どもたちと
去年出逢った、病院にデリバリーパフォーマンスする心魂プロジェクトからのご縁で知り合った戸沢財団の方々。作詞家の戸沢まさみさんの遺志によって、子どもたちの支援をする活動をしている。ほんとに私はご縁だけで生きてるなとつくづく思うけれども、この縁も相当強烈・・。彼らのキーワードに山梨があって、そのキーワードになる人を、私たち仲間は知っていて、しかも財団の福田さんは八ヶ岳に小屋を持っていて・・。
財団のみなさんも、設立して3年、その支援の方法をいろいろ試行錯誤する中で、子どもたちと直接触れ合って一緒になにかやる活動をということをはじめた。その第一歩に、今回の八ヶ岳でのキャンプ。 東京の施設からきた子どもたち、小~高と、福田さんの小屋で、シジュウカラのひなをのぞき、りっぱなニジマスをたき火でたいて、舌鼓をうち、森の中に差し込む月明りを浴びる。視界の開けるところまでいって、観望会。「わーこんなに広い空初めてみた!」「星がたくさんあるー!」「月で影ができる!」大興奮の子どもたち。月の模様、木星の縞と衛星、土星の環、大人も子どももいちいち歓声をあげる。人工衛星も気前よくあらわれる。
人間にエネルギーを与え、心をいやしてくれるものに、自然と隣にいる誰か、以上のものはないだろうと思う。今回の体験は、あの子たちの未来に、きっと光をあてるだろう、そんな気がする。
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★星の郷プロジェクト
星つむぎの村の「星の郷プロジェクト」。この5月は4日と28日に2回、泉郷の星の郷ミュージアムでイベント。
どちらも 素晴らしい晴れ。この時期に夜もこんなに星が見られるなんて、と支配人の田中さんもびっくり。
そんなイベントに、「星つむぎの歌」の中の「星つむぎの詩人たち」の一人(のお父さん)がいらしてこれまたびっくり!!
そんなこともある。
都会からいらっしゃるみなさんの多くは「こんな星はじめてみた」と。
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プロジェクトのほうのメンバーもあらたに、私が授業でもっている大学の学生2人も参加。いろんな世代につないでいきたい。
横浜のほうからわざわざきてもらった、ひいさんに手ほどきしてもらいながら、「星のなる木ランプ」をみんなでつくる。
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これからプラネタリウムのドームも整えながら、夏の「星空縁日」にむけてあれこれと準備が進む。
5月28日のほんとうに美しい満天の星空。その日、4月末の心魂公演にいらしてた若いAちゃんが、星になったと聞く。あの美しい星空をきっと見ただろう。あの星めざして旅だったのだろう。
実はその少し前には、中学校のときの同級生で、唯一年賀状のやりとりをしていた友人が、ガンで亡くなったとの報。体操部だった同期が連絡をくれて、ほんとうは闘病中に連絡したいと思っていたんだけれど・・と。同じ年。末娘さんはまだ中学生で、どんなにか心残りだったかと思うとつらい。
同時に自分に残された時間の短さもあらためて思う。

★そのほか講演
練馬で幼稚園の先生たちへ。甲府では山梨県生涯学習センターで4回シリーズの講座の1回目。センターのほうは平日昼間だけれど、大勢いらして、みなさんとても前向き。話をしててとても面白い。「満天の星空・大宇宙は不可思議な世界・ロマンあふれる時間でした。大満足でした。残り三回の講義も楽しみにしています。」「満天の星空・大宇宙は不可思議な世界・ロマンあふれる時間でした。大満足でした。残り三回の講義も楽しみにしています。」などなど。

★佐治先生と
今年1月の音楽療法研究会に再会できたのがきっかけで、佐治晴夫先生との交流が再び。20年前に佐治先生に手紙を書いていた絵里ちゃんはボイジャーが好きで、ボイジャーの手作りパーカーを先生にあげたら大喜び。そんな二人を引き合わせることもできたり、甲府にきていただいたときに、甲府市内の学校で子どもたちに講演してもらったり・・
ご自身の病気を冷静にモニターしながら、そのことを新聞連載などにもしっかりとつづる。今年は、4冊も本をだされるそう。
佐治先生と何か作品をつくりたいな、という気持ちが盛り上がってきて、形にしていけるといいなーと。
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★子どもたち
子どもの日に、娘をつれてダイアログインザダークへ。だいぶ前に、目が見えない人はどうやって暮らしているの、と言い出したことがあったので、いつか、と思っていた。暗闇の中のブランコ、ボール投げ、コーラとお菓子、十二分に堪能。
母の日には、100円ショップでかってきた材料で、オリジナルデザインになったコンパクト鏡を。すごくすごく楽しみにしててね、数日前から何度も言われて手渡された品であった。
月末の日曜日、4月に星空コンサートでご一緒した太田美保さんとご主人が主宰する畑「おととわ」へ、娘と友達を連れて。プラムのふくろかけという初体験に、木に名前をつけてプレートをかけるアート。3人娘が帰りの車の中で、とても楽しかったということを、「呼び掛け文」形式に感想を言っていた。

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光と風、星空にたっぷりエネルギーをもらった5月。またがんばろう





# by malicosmos_meme | 2016-06-23 17:03

柳田邦男がその著著「読むことは生きること」の中で、心理学者の河合隼雄氏が語っていることを、簡潔に書いている。「私の思考を刺戟しているのは、「コンステレーション」というものの見方と、「物語る」という表現法の相関関係だ。(中略)いろいろな事柄の全体像をあるがままの姿で把握する、つまり、ともかくそこに“星座”に相当するひとつの全体が出来上がっていることを認める、というものの見方がコンステレーションの発想法だという。もう一つの「物語る」とは、生きること・死ぬことについて、腹におさまるように話をつくることだという。(中略)このように、腑に落ちるように物語るには、バラバラに見える様々な事柄のコンステレーションを読み取らなければならない。」


震災があった。隣の家は半壊だったが、自分の家は全壊であった。あの人は無事だったが、この人は無事でなかった。なぜ、こんなことになってしまったのか。なぜ自分は不幸な目に合わなければならなかったのか。人は、こと、突然降ってきた大切な人の死や自身の病気・事故など、理不尽なものに対して、その意味を追及したがる。生きているものはいずれ死んでゆく、そして、その生き方もさまざまなスタイルがある、ということにどれだけ寛容でいようとしていても、やはり、そこに意味がほしいのが人間。その意味づけのための、物語が必要なのだ。しかも、「腹におさまるように」。人生の選択においても、日々の小さな選択においても、私たちは一つひとつ、意識するしないにかかわらず、何かしらの意味づけをして生きている。つまり、物語を生きている。その物語ができれば、人生は肯定できる。

コンステレーション(星座)は、心理学の用語の中だと「布置」という意味を持つ。「一つひとつはバラバラに見えることも、全体を見てみると、そこに意味を見いだせる」という事象。どんなに困難な目にあっても、それが転じて誰かの役にたっていたりすること。あるいはその後の自分を幸せにしていること。それら全体を俯瞰してみることができれば、人は生きていくことができる。


「つなぐ」仕事と言うのはある意味において、コンステレーションを見出すことでもあるのかもしれない。


さて新しいスタートの4月。あらたなコラボレーションへの興奮と、新生・星つむぎの村へのエナジー、など。


☆須玉・津金学校にて

ピアニストの太田美保さんとのイベントを企画してくださった津金学校の望月さん。太田美保さんは、今年にはいって冬の間の山日新聞に大きく取り上げられている記事があって、キーワードが私とまったく同じだったので、「ん?私のこと?」と思うぐらいのもので、気になってその記事もとっておいたという人。それからあまり間をおかずに、いろいろと偶然と必然かさなり、コラボレーションができることになった。2月に私の講演を聞いてくれて、涙を流して感じ入ってくれたのもあったり、もちろん彼女のピアノの楽曲も聞かせてもらう機会あり、そして、震災への想いやアクション、場づくりについての妄想の方向性(苦笑)やつながり力、そんなものが互いの共感を生むのに十二分。しかも、誕生日が同じ(笑)。

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太田美保さんのFBから

「真っ暗な闇夜の中のステージに映し出される壮大な宇宙の姿、真理子さんの語りにインスピレーションを頂き、ピアノを弾く、
そんな贅沢な時間を過ごさせて頂きました。

東京時代、朗読療法演奏士として、物語に曲をつけたり、舞台で朗読士の読みに合わせて演奏したり、そんな仕事をしていた訳ですが、真理子さんの声、語りというのは本当に不思議で、何というか、何か非常に強く心を動かされるのです。

それは、きっと「こうしてやろう、ああしてやろう」などという思惑が一切なく、紡がれる言葉も声色たちも、ありのままの真理子さんそのものだからなのだと感じた私。そんな形がねむぴあのの世界とリンクしているから更に真理子さんの世界が心地よく、溶け合う事ができるのだなぁとも。

素直で強き想いは、人の心を溶かし、揺れ動かす。そんな、愛と宇宙そのものの真理子さんの世界とご一緒させて頂ける奇跡。

この場につないでくれた津金学校の望月さん(もっちゃん♪)いつも支えてくれる仲間のみんな。
ただただ貴きご縁に、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。本当に本当に、ありがとう~!」

今の構想は、子育て中のお母さんたちへの癒しイベントを行うこと。他にもいろいろやっていきたいとがありそう。


☆心魂プロジェクト一般公演 ミュージックシャワー「プラネタリウムxヨガor太極拳」

 心魂のみなさんと公演でご一緒させてもらうのは、今回で2回目。前回のプラネタリウムミュージックとはまただいぶ違う時間だった。有永美奈子さん(ヨガ)と、齊藤志穂さん(太極拳)それぞれの渾身の作。
プラネタリウムに携わって20年近く、星や宇宙で人をつなぐ、はもちろんだけれど、星や宇宙と異分野をつなぐというのも大きなテーマであり続けています。人類史の中で、星は常にあり続けているし、そもそも、やはり学問とか思想とかの根源的なところに星空はあったので、一見だいぶ違う分野に見えることも、かならずつながっていく。それらを具現化するために、番組制作などを通してやってきたことは、神話や伝説などで人々が物語ってきたことと、サイエンスの言葉で物語られることを、対称化し、重ねていく作業。
ヨガには、「梵(ぼん)我(が)一如(いちにょ)」という言葉があって、「宇宙と私は一つ」と最初から言っているようです。太極拳の根底にある「陰陽思想」は、自然のすべては陰と陽の関係性でなりたち、つまりは死があって生がある、闇があって光がある、まさしく宇宙で起きていることごとをそのまま言っているようでもあるわけで。生命に死がプログラムされ、性が登場してはじめて生命は進化を遂げたということも、まるで陰陽思想そのものなのか、という気づきが一番大きかった。私も多くの発見をさせてもらった。
 人々は大きな自然の一部であり、その自然の不思議さを物語るために「知」を積み重ねていく。その「知」はやっぱり、私たちが生きるための物語でなければならないと、あらためて思うし、それを人々と広く共有するために、アートはなくてはならないもの。人々の生死にかかわるサイエンスとアートを私たちはやっているんだと思う。今回のプログラムがまだまだ進化して、ケアする人のケアになっていくといいな、と願っている。

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1日目に、高校時代の友人がきてくれた。去年あたりから、私が横浜に出没しているのを(笑)気づいてくれてて、ずっと気になっていた、と。

「旅育」に携わる彼女が、ブログでレポート書いてくれた。こちら 一緒に仕事ができるね、したいね、と。

2日目にきてくださった、心魂つながりの黒井さんは、私たちの共通の友人がいることに気づいてくださり、そのつながりがまた濃い~感じに

なりそうな予感。彼女がFBに書いてくださった感想が、とても素晴らしく。こちら


★富士山ふもとの音楽フェス

環境教育に携わる小川結希さんと、「つなぐ人フォーラム」の際に盛り上がった話。彼らが、現在、あちこちで行われている野外音楽フェスにおいて

環境教育のアクティビティをいろいろ持ち込むチャレンジをしているという。万単位の人が参加する音楽フェスで、もっと環境のこと、伝えたいという想いのもと。

夜もずっと行われるイベントなので、星を見るプログラムぜひ、そうだ! ステージでライトダウンして、みんなで星をみよう!っていう時間を5分だけでももてたら・・すごい!っという妄想になり。いきなりそんな壮大プロジェクトを実行するのも難しいのでは、まずはプラネのプログラムなどで浸透させつつ・・ということで、今回、お邪魔したのが、富士山の「ふもとっぱら」で行われた、GOOUT JAMBOREE

いろんな意味でのカルチャーショックがたくさんあり、驚くことばかり。しかし、そこは富士山を大きくのぞむ、大変素晴らしい場所なのであった。その日の夜は曇っちゃったっけど、ここ、星絶対きれいだなーというところでもあり。これからいろいろ期待したいところ。

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★熊本の地震
富士山に向かった日の早朝に、2度目の大きな「本震」だった日。ずっと気持ちがざわざわしたままだったけれど、その翌日の「星につつまれて」コンサートでは、熊本への祈りの時間になったことは、多少、「こちら側」にいる人間にとっての救いの時間であったかもしれない。
熊本は、赤十字病院の小児科の看護師さんが、病院プラネにきてほしいと打診してくださった場所であり、東区にあって、救急搬送される場所でもあるので、どれだけ大変な目にあっておられるか・・と思ったり、熊本県立の高校で、去年の文化祭に「ベガ」の上映をしてくださったところがあり、そこもかなりの大きな揺れだったところなので、先生にメールを送ったり。
とりあえず・・ということで、地震1週間後の週末に、いつもライトダウンプレイベントでお世話になっているラザウォーク甲斐双葉というショッピングセンターにて、熊本支援プラネタリウムを、星つむぎの村でやらせていただくことになった。
そのレポートは、星つむぎの村サイトのこちらで。多くの方がメッセージを寄せてくださった。そして、そのメッセージを入れ込んだ、動画を制作。
上記の高校の先生などが、twitterなどで拡散してくださったりした。

今年のうちに、必ず、熊本、訪ねたいと思う。

★星つむぎの村を軌道に
4月最初のころに、30人ほどが集まった村ミーティング(こちら)を契機に、いよいよ村活動が開始。オリエンタルリゾート八ヶ岳ないのセミナーハウスを
拠点の一つに使わせてもらいながら、活動があれこれはじまる。
顔が見える範囲の「プロジェクト村民」、なるべく裾野を広げて、いざとなったらいろんな人たちが賛同、共に活動する仲間になってもらうための
「購読村民」、「やりたい人がやりたいことだけやれる場」であり、かつ、一人ひとりにとっての幸せを広げる場であり・・いろいろと理想は
高いのだけれど、さまざまに有機的なコミュニティをつくっていくのはなかなか難しいところもあり。
でも、多くの人たちの癒しや励ましの場になりたいし、これはきっと人生の最後まで続けていくものになることにも間違いがない。
その機能をきちんと回していくためなら、エネルギーは惜しみなく注ぎたい。
そういう点において、時間ばかりだけでなく、自身の足りない能力のこともあれこれ思うことも多いけれど・・
星つむぎの村サイトはこちら
よかったら、ぜひ、購読村民やプロジェクト村民になってくださいませ。

★大学
4月はじまって早々に、実家にほど近いところにある短期大学にて、講演をさせてもらった。以前、私の話をきいて、いたく感動してくださった先生が
呼んでくださり。そしてそこの大学には、もう8年も前にお会いした方がいらして、超久しぶりのびっくりな再会、とかも。
他、山梨県立大での授業は、7年目を迎える。今年もまた180名近い学生。最初の授業のときから、先生の活動に興味あり!一緒になにかやらせて
ください、といってきた学生あり。
星つむぎの村、若手部分をになってくれるといいなあ、と願う。

★ピアノ発表会
小6になった娘、ふだんは小さい教室で面倒みてもらっているので、大きなところでひくのははじめてのこと。
なんとベーゼンドルファーのピアノのあるホールにて。
緊張のあまり、最初から10秒で止まってしまったというハプニングもありだったけど、そのあと最初から
やり直して、最後までひききる。 
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★手紙
2年前にお邪魔した支援学校の生徒さんから、「就職してがんばってます」という嬉しいはがきが!
しばらくご無沙汰していた年上の友人から、ガンで入院している、というはがきも。。
そして再び、このフレーズを自戒をこめて思い出す

「二度とない人生だから いっぺんでも多く便りをしよう 返事はかならず書くことにしよう」
(中略)
「二度とない人生だから のぼる日 しずむ日 まるい月 かけていく月 四季それぞれの星の光にふれて わがこころを洗い清めてゆこう」
板村真民「二度とない人生だから」




# by malicosmos_meme | 2016-05-15 16:21
19年前、知り合いの誰もいない山梨にきた。大学院で博士論文を書くことなく逃げてきた私は、その後の仕事人生を生きるためには、ここに足をしっかりつけて自分の仕事をすること、それは何が何でもやらねばならないことだった。就職とともに入籍、しかも相手が仙台にいるという27歳女子が、この保守王国山梨で生き延びていくとは、当時、採用にあたった方々も思っていなかったことなのではと思う。「せめて3年はいなさいよ」と言われたりもした。逆によくぞ採っていただいたな、と。
あそこで、採用されていなかったら・・・今、いったいどこでどんな人生を送っていたというのだろう。

3年前に山梨県立科学館の正規職員をやめ、非常勤のポスト(天文アドバイザー)をつくってもらい、当初はもう少し長くいるかな、と思っていたのだけれど、この1年でどうにもこれ以上いるのはいたたまれない状況になってしまったというのが正直なところ。けれども、そういった状況は何か新しいものへのエネルギーに変換されていくもので、結果、「星つむぎの村」の新生立ち上げを加速することにもなった。
そして、山梨県立科学館でやってきたさまざまなことの多くは、ある人には人生が変わるほどの、ある人にはその人の働きを変えるほどの、ある人には日常の小さなアクションを生みだすほどの、ある人にはそのときどきの気づきを・・とすべては、誰かの何かに変換されたものになっており、その結果として、山梨がすっかり私のかけがえのない場所になったという事実は誰にも奪えるものでもなかった。自分が積み上げてきたつもりだった山梨県立科学館プラネタリウムというアイデンティティは、けっこうあっさり崩れ去ってしまったかもしれないけれど。でも、そこで考えたことごと、生まれた作品、身に着けたさまざまな方法論、これはまだまだ生きているようにしたいし、きちんとしかるべき人に届けたい。そして、それはきちんと願うことでわずかにでも実現していくのだろう、と確信する。

〇これまでつくってきた番組一覧  こちら
 番組制作で大事にしてきたことは、山梨の人たちを巻き込むことで山梨の誇りをつくること、見ている人の経験をひっぱりだして提示するものとつなぐこと、
 プラネタリウムは想像と創造の場であること、後世に残すべきものを物語として残すことなど。
〇さまざまな仕事の背景にいつもあった生きがいの泉
〇あとにも先にもおそらく他にない一大プロジェクト
 星つむぎの歌  その経緯はこちら
〇比較的コンパクトに特徴的な仕事のエッセンスをまとめたもの
 高橋真理子 「人々が関わり続けるプラネタリウム」博物館研究(日本博物館協会)、8月号、2012 こちらから


この3月、まさしく「終わりははじまり」ということがいろいろと交錯。
21日に行った、館での最終投影のときには、なんだかたくさんの人たちが花束をもって駆けつけてくれ、しかも、そこで
サプライズの動画のプレゼント。


あなたが届けてくれた宇宙のすべてが

この場所につながっている。

あなたが紡ごうとする物語のすべては

この場所につながっている。

今ごろのツバメは

星の道を頼りにして、海の上を渡っているだろか。

ツバメも、わたしも、あなたも、

星を見上げて、いのちに思いを馳せる。

それぞれの、この場所から、おなじ宇宙で。


(彼女と一緒に仕事するにはどうしたらいいだろうかと考えたことが

病院プラネをやりだす大きなきっかけだったことは間違いがない。

もう15年前のこと。)


1998年の開館してすぐの夏休み。「質問コーナー」という箱を設置していて、そこに子どもたちがたくさん質問を入れ、それにせっせと回答しては張り出すということをやっていた。回答をみに、再び子どもたちがきてくれるだろう、という願いのもとに。その中に、「こたえを見にこられないので、送ってください」と東京の住所が書かれているものがあった。小4の絵里ちゃんとお姉さんの樹里ちゃん。それに手紙を書いて返答したのが最初で、そこから濃い文通がはじまった。毎回、質問が増えて、その質問が難しくなっていく。どうやら家族ぐるみで質問を考えていたらしい(笑)。そしてその姉妹は、私からの手紙をすべてファイルし、保存してあってそのファイル名が「宇宙の教科書」! この日、絵里ちゃんが、それを携えてきてくれた。そして、今や、宇宙好きのデザイナーとして、「病院がプラネタリウム」のクラウドファンディングのリターンの一つ、星空Tシャツをつくってくれている。なんて素敵なんだろうと思う。

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★星つむぎの村スタート

そうやって、19年におよぶさまざまな仕事から生まれた何かを抱えて、今がある。

科学館のプラネタリウムで2004年から、「表現・創造・交流」をキーワードに活動してきた「星の語り部」。星つむぎの歌、さまざまなプラネ番組、ユニバーサルデザイン活動など、大きな企画の原点はすべて語り部にあった。そこから生まれてきたものの大きさは計り知れない。そこに関わってきた人々は、ずっと関わっている人もいれば、ゆるやかにつながっていたり、ゆるやかに離れていったり、もちろんこの12年のうちで、いろいろな出入りがあった。大事にしたいことは変わらず、それは、今自分の仕事でやっていることとほぼ同じものばかり。

その「星の語り部」と、2011年ぐらいから、「星つむぎの歌」に関わったメンバーたちで立ち上げていた「星つむぎの村」を合体する形で、新生・星つむぎの村をあらためてチーム化。ウェブサイトもあらたに。

http://hoshitsumugi.main.jp/web/


そのキックオフイベントにもなるイベントを3月12日に開催。

「きょうを守る上映会&星空コンサートー被災地は今」

「星つむぎの村」をあらためてやろうと思ったのは震災があったことも大きく影響していたし、また、村としてこれまでも陸前高田に年2回のペースでイベントを開催してきたり、「星の語り部」としても、だいぶ通ったことになる。

3月11日が5年目を迎えるのとともに、震災のことを思いだし、忘れないようにということ、私たちの活動も知っていただき、また今後につなげられるようにということ、そんな想いでの企画。100名近い方が集まってくれた。

当時、県立大2年生だった菅野結花さんのつくった映画「きょうを守る」の上映、現在の被災地からのメッセージ、私たちの活動の紹介、そして覚和歌子&丸尾めぐみのコンサート。来ていただいた方々、みなさん大変感じ入り、あらたなことを胸にしながら帰っていた抱いた様子がとてもよくわかった。

こちらにレポートをアップ。

スタッフも総勢30名ほど。新生・星つむぎの村のキックオフイベントとして、とても意義深い1日でもあった。

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今年のこのタイミング(ほんとによし、と思ったときに、誰かがいつも手を差し伸べてくださる。ありがたいめぐりあわせによって、常に生きている)で、八ヶ岳とのご縁がぐっと増え、八ヶ岳山麓にある泉郷の中に、村拠点の一つになる場をいただけた。

3月6日には、合宿をおこない、そこに「ダレデモドーム」をたて、3月20日には、星の郷プロジェクト第一弾としてのイベントを。

それらもこちらにアップしてある。

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星つむぎの村は、「星を介して、人と人をつなぎ、ともに幸せをつくる」がミッション。すべての人々に星空を見上げる素敵さがしみとおっていくように願いながら、人々に寄り添うために出向き、そして受け入れられる場になりたい。


★都留高校

病院がプラネタリウムの一番最初のきっかけをくださった山梨大の犬飼先生。彼が出身校である都留高で講演をし、その後、私の活動のクラウドファンディングを高校にお知らせくださったご縁で・・・高校生たちが地域活性の活動の一環として、行ったお祭りでの売り上げの一部を、病院がプラネに寄付してくださるという素晴らしいお知らせ。そして、高校生たちが行っているさまざまな課題研究の発表会の審査員として呼ばれ、きらきらする高校生たちに逢うことができた。とてもよかったのは、自分たちの興味のあることを、社会的課題につなげて実践していたこと。

講評の時間は数分だったけれども、そこで、仕事とは自分がほっておけないことと社会のニーズの接点にある。自分が好きと思えること、他者を信頼できること、そして何かに貢献できること・・つなぐ人で教えてもらったアドラーの幸福の条件の話をさせてもらう。

またあらたなおつきあいの一歩になるといいなあ。


★福岡行き

高校にいった夜、なんだか喉の違和感・・。う、まずいと思って寝てから4時間後には明らかに腫れている状況。まずいまずいと思って起き上がってあたふたする。あたふたするより寝ていたほうがいいのだが。福岡行き前の3日ほど、ほんとうに緊張する日だったのだけれど、お医者にもらった薬が効いてくれ、大事にいたらず、めでたく福岡へ。

NPO法人こども文化コミュニティつながりでいただいたお話。福岡市少年科学文化会館の閉館イベントとして、800人ホールでのSpace Fantasy LIVE. 1100人もの応募があったということで、それだけ科学文化会館が人々に愛されてきた場所ということがわかる。そんな記念すべきイベント、音楽とのコラボレーションというところをもっと何かやりたい、お客さんの参加度をもっとあげたい、福岡の昔と今をつなげて・・というようなことをあれこれ考えつつ、いくつかの新しいチャレンジを。自分的チャレンジの一番はボディーパーカッション(笑)。

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そして、永い間ご無沙汰してしまった大学時代の後輩(今は星に・・いや、大好きな魚になった彼)のお母さん、その後輩より1年下の後輩、大阪の心友、13年ぶりに逢う絵描きさん、プラネタリウム仲間、星つむぎの村メンバーもろもろ、福岡という地にあって、こんなにも知り合いにきてくれることの幸せもかみしめつつ。NPO法人こども文化コミュニティの高宮さんとの出会いは2009年。それからいろんな場面で、同じ感性や同じビジョンの中でおつきあいできたこと、ほんとうに感謝。

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翌日は福岡市立こども病院でのプラネ。移転して新しくなった素晴らしい環境の病院。ドームからでていくときの子どもたちの楽しい顔。

その様子は当日のNHKニュースでも報道された。


★日能研の合宿にて

福岡からひとり飛行機にのって、移動プラネを全部飛行機にのせて帰ったのは、さらにその翌日に佐久でプラネタリウムをやったから。

つなぐ人フォーラムつながりのお仕事は、心底嬉しい。日能研、ただの塾では全然ない。 新6年生の合宿は、すべてギリシャ時代のリベラルアーツを基本として行われる。そして「論理」をテーマに、吸収して、書いて、議論して、ということを繰り返す。「宇宙」の時間に呼んでいただき、ドームの中で40分、その後、自分たちが知りたいことをあげるのに30分、それらをうけてまたドームで1時間ほど。長時間、子どもたちの集中はきれず。なんだかんだいって、一番意見がわかれて面白かったのは北極の夏至と春分の太陽のめぐり。視点を変える、それで考える、それを一生懸命やった。

「社員研修にも使いたい!」と代表の高木さん。 

宇宙とともに仕事ができることがまたあらためて嬉しい。


★いろいろ

3月のはじめは、娘のインフルエンザとともに。2月に高校生の息子も1週間かなり重症のインフルエンザになり、その間、必死で隔離していたのに、あっさりと学校でうつされ・・。やっと学校に復帰できると思いきや、学校に行きたくない・・日がしばし続いたり。この先どうやって反省しながら子どもと向き合うかもあれこれ考えつつも、やっぱり仕事は大事、となんとか毎週末にあったイベントとそれ以外のさまざまな仕事を乗り切り、大切な人々にたくさん会うことができたこの3月。

春休みには、娘はやっぱり大好きなお友達を呼んでお泊り会もできて、6年生は「完璧に」がんばろうと思えたようで。

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毎日、いろんな人生と交差する。共感もあれば、反発もある。交差すればするほど、自分の立ち位置を確認しながら、今、ここにある実感を得る。
生きててよかったな、と思う春。








# by malicosmos_meme | 2016-04-06 17:31

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