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Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙

malicosmos.exblog.jp

「つなぐ」「つくる」「つたえる」「とどける」 これが自分の仕事のキーワード

つなぐ人フォーラムの3日間

こちらは3日間の振り返り。3日間、と簡単にいっても、濃厚すぎるので、とりあえず
自分の領域のみになるけれど、ほんとに毎回、他にない貴重な集まりだな、と感じる。
今年は特に、その次に具体的に続いていきそうなものがあれこれと。 

「第4回つなぐ人フォーラム~それは何故つながったのか?」
プログラム内容はこちら。 

およそ90名ほど集まってきた人たちは、環境教育、博物館、街づくり、里山や農、
サイエンスコミュニケーション、エコツーリズム、学習塾経営、デザイナー、そして企業の
CSRの方々など、非常に多彩なメンバー。

2泊3日のフォーラムは、
     1日目に 10分プレゼン+全体会
     2日目に 45分ワークショップ+全体会
     3日目に 3時間ワークショップ+全体会
という構成をもっている。この構成は、とてもよくできていて、なるべく広く参加者のことを知り、
2日目で興味の対象を少し深め、3日目には、自分の思うような企画ワークショップを開催したり、
じっくり深めていくことができるような構造になっている。

1日目のプレゼン、同じ部屋で3つのプレゼンが並行する! ふつうあまり考えない感じが
するけど、部屋の移動時間の無駄がないし、同時に気になるものをちょっとずつつまみぐいも
できる。私は「宙をみていのちを想う」 と言うタイトルで(実にこのタイトル、2010年に
ホスピス医の内藤いづみさんとのコラボレイベントでいただいてから、自分の発表にも、
講演会タイトルにも、そしてまた次のイベントにも・・たくさん使わせてもらっている)、
ケアの現場と宇宙をつなぐことの意味や、語り部の実践とユニバーサルデザイン絵本の話を
させてもらった。 フィードバックシートというのがあり、発表を聞いてくれた人が、その感想や
質問・コメントなどを、紙にかいてポスティングする。 それをあとでいただけるので、その人と
また次にコミュニケーションするきっかけとなる。いただいたコメントをいくつか紹介。
「星を見上げる意味などあまり考えたことがなかった。言葉にしてもらうと、なるほどと
思う。」「宇宙のことを考えると僕は怖いですね。 確かに星は全てをつなぐと思います」
「言われてみれば、星といのち、自分の中でもほんとうに近いと感じました。科学館の学芸員の
方が、専門の見地をもって、こういった視点から語ってくださるのはとてもすてきなことだと
思いました」「わかりそうで、まだわからない!」「生きるヒントもらった気がします」
翌日の山日新聞、たまたま私がプレゼンしているところが・・

その日の夜の全体会は、「それは何故つながったのか?」というテーマ。
これまで、あまり「直面」することを避けてきた?感もある、「つなぐ」「つながる」とはいったい
何なのか?? という問題。 それを今回は少し深めてみたら、という話が実行委員会で出て
具体的にやったのは、各実行委員がそれぞれの「つなぐ事例」を出し、それを実行委員の
梅崎さん中西さんが「解析」してくださった。 実行委員会で、その途中経過について
報告がでて議論されるその場は、とてもエキサイティング。 自分なりの「発見」がいろいろ
あった。 あがってきた「つなぐ上でのポイント」を
「関係性づくり」「行為のデザイン」「場の運営スタイル」「コミュニティ」という4つと、
「全体を通じて留意すること」「事前」「事中」「事後」の4つの
8象限にわけて概観する表が配られた上で、周辺の5人ぐらいと、「つなぐ」上で、
キーワードになること、をあげ、それを、白紙の8象限の上にはっていくということが
この全体会の着地点。 しかし、どうもしっくりこない感が・・・
実行委員の川廷さんが、「今回分類されたものは、主催者・運営者としての視点で
カテゴライズされているのに対し、今、みんなが話をしていたのは、参加者視点という
違いがあるから、かみ合わないのでは?」と意見。 なるほど・・そういうことか。
しっくりこない感があったものの、この回は、実に3日目のワークショップにおおきな
つながりを残していってくれた。

日中、清里はずっと冷たい霧の中だったのが、真夜中に露天風呂からみると
すごい星! 湯気が少々邪魔(汗)だったけど、ついそこで星空解説。そのときは
相手が一人だったのだけど、聞くと、その方が翌日には、また別の人にそれを
伝えていた、という。嬉しい連鎖。
やっぱり、露天風呂で星空解説・・ 事業で実現したいなあ。

2日目は45分間の日。 45分間というネーミングは、西村さんによるもの。
6時限の時間帯に、それぞれ5コマ並行するので、全部で30種類。
朝の全体会で、それぞれの枠で何をやるのか、30秒ずつでプレゼンされ、
それを聞いてみんなが「サインアップ」する。 実にうまくわかれていく。
1限目、今年実行委員に入られた、臼井ちかさん(チカソシキ、という実に魅力的な屋号で、子どものワークショップなどを主催)に
誘われ、「こどもと宇宙をつなぐワークショップを考えよう」という45分間を一緒におこなった。
アーティストの視点で、うつくしい入場券をつくってくださり、座席もそれに導かれてはじまる。
最初に「宇宙旅行」にみんなを連れていき、たとえばプラネタリウムの中で、どんなワークショップ
やってみたい?ということや、宇宙旅行の感想などをみんなから聞く。 
私がもっとも「もらい!」(笑)と思ったのは、プラネタリウムの中で、寝転んで「糸電話」。
これ、実にいい。 すぐにでも実践してみよう、と思ったり。
ちかさんの提案は、「プラネタリウムで一晩おとまり」。そのときに、どんな食事?どんなふうに
寝る?ということだけでもいろいろ想像が広がる。 実際に、実現しよう。
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それに続く2限目。 私が実施者となり、去年、西村さんがやっていた「この人に会おう」シリーズを
踏襲させていただく。会う人は、山中湖で「ホトリニテ」という宿を経営している高村直喜さん
たぶん、高村さんを知っている人はほとんどいなかったはずだけど、30人以上の人が集まる。
彼が一声かけると180人、宿に集まってくる、っていうのにひかれたのか? 
彼から15分ほど、「こんなことやってます」という紹介、その後、隣の人と5分ほど、その話を
うけて感じたことを話してもらい、そのあと全体でそれらを共有。
その中で、高村くんが、「つなぐ人フォーラムって名前のところで、こういうこと言うのは
何だけど、つなぐ、って意味がよくわかんないんですよね」 という発言。 そこから、
予想外に、面白い展開! 彼が誰かと関わるとき、なるべくフラットでいたい、というその
スタンスから、あれこれ意見が交わされ。 「人間・この不可思議なもの」に
ものすごい興味をもつ高村くんは、それぞれのあり方や生き様をありのまま見てみたい
という欲求のもと、いろんな人たちの刺激になる場を提供していて、結果、それで
人をつないだ(たとえば、誰かと誰かが何かあらたなものを
生み出す結果となった)ことになったとしても、それは彼の目的というわけではなかった、
という状態、なのかなあ、と私は納得。 参加者のみなさんには、あらためて、「つなぐ」って
何??ということを自問してもらえる時間になったのかも。
それに続く時間はお昼ご飯だったので、その間も実に盛り上がり、最終的にはきてくださった
みなさんはとても満足していたようなので、実施者としてもとりあえずほっとしたのでした。
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何故か彼は正座をして(笑)る。 高村くんのブログにも掲載されているのが面白い。

それ以降は、一参加者として気軽に。企業に変革もたらすワークショップをやっている中西紹一さんの「つなぐ場をデザインする3 課題に近づける」、山梨県都留で「援農日」という、「自分の農的暮らしを誰かと共有する」という面白いことやっている加藤大吾さんによる「生態系の中で生きるという選択肢」、時の人・広瀬敏通さんによる「RQ市民災害支援センターという革新の意味」に参加。
全部説明しているとこれまた大変すぎて・・ しかし、どれもこれも、次につながるキーワードがいっぱい。

この日の夜の時間帯は、実行委員主催の時間の一つとして、観望会を開催・・ ところが! おかしい。
完全に曇天。 しかも超寒い。 ということで、完全に1時間以上、まるまる「宇宙旅行」の時間となりました。
星空インタープリターのタカさんこと、鈴木崇則さんが、宇宙船のアテンダントになり、ハッチが閉まって
みんな興奮!(笑) ユニビューをつかって、あれこれ旅をする。 いちいちみんな、「お~!」といって
喜んでくれるので、ついついしゃべりすぎ。 みなさんの思い出の星空・・とかやっている時間がまったく
なくなってしまった。 後日、「宇宙行ったのがもうすごく印象的!」と言ってくれた人が多く、なにも
このフォーラムでやらなくてもいいのだけど、でもやってよかった~という感じ。
これを見てくれた人からのオファーで、またあらたに出かけていく場所も決まり!
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その後、飲み会中、川廷さんに「星でてる~」といきなり呼ばれ、西の空が晴れてきたところを
みて、プチ解説。 しかし、数分といられない寒さであった。

3日目は、参加者自身が提案するワークショップをじっくり3時間やるというスタイル。
そのワークショップ提案は2日目の夜までに提案、サインアップする。
1日目の飲み会で、10年ぶりぐらいにお会いした、サイエンスカクテルの小寺さんと
全体会で、つながった「事後」があまり語られないという話をうけて、「つづいたこと、
つづかなかったこと」をテーマに話すのはどう?という話がでたことと、
中西さんが、やはり1日目の全体会の??の続きをやりたいという話がうまくつながって
それらを統合したワークショップが。
これが実に充実した3時間! 
継続している、あるいは継続するかもしれない、という「つなぐ事例」について、
私が「星の語り部」のこと、そして、Jpowerの藤木さんが、企業と大学生と一般市民が構成する
「エコエネカフェ」の実践の話を、それから、森林文化アカデミーの小林謙一さんが、岐阜県郡上の
一地域でおきている「ふるさと郡上会」、そして、広瀬さんの「RQ」。 この4つの事例が実に
似たようなキーワードを持っていることにみんなが気がつく。
広瀬さんが、前日に「RQ的なもの」として、RQをささえていたことがらをキーワードにしてくれて
いた。それは、一言でいうと「アメーバー型組織」。 つねに動きがあり、それぞれが自立して
動ける運動体。 そこには、「情報の共有・・自律、自発」 「受容」 「ポジティブ運動」 「ルールは
最小」「不公平の実践」という言葉が並べられた。 情報の共有には、課題の共有という大きな
意味も含まれていると思う。 そこに、私が「共有の風景」というキーワードも提示。
「RQ的なものは、このような震災という非常事態でなくても、日常的なときにも実現可能か?」という
のは、私の中でも大きなテーマだった。 それに対して、郡上の小林さんは、「可能、ということが
ふるさと郡上会の実践をみているとわかる」との発言。みんなの課題は、「住み続けたいと思う
ふるさとをつくること」の一つ。それのために何をやってもいい、みんながそれぞれやりたいことを
まわりが協力しながらやるという姿。 
アメーバー型と、ピラミッド型。 現在の日本の構造は、ほとんどがピラミッド型であるけれども、
やはり一人ひとりが十分に自己実現する社会ってアメーバー型なんじゃないの? と思う。
けれどもおそらく、二者択一というのはありえず、これらが、同じ組織でもあるときはピラミッド、
あるときはアメーバーということが必要なのでは、とか、ピラミッド型企業でも、ワークショップで
アメーバー型を持ち込むと、そこで変革がおきるときもある、という話や。
また、星の語り部のように、家庭、職場、のどちらでもない、居場所としての場として考えると
それがアメーバー型であることで、社会はもう少し動いていくかもしれない、という予感も。
ある意味、それがNPOだったり、ボランティア活動だったり・・そういう自己実現の場を
求めている人は実に多い。 
「共通の課題を持ち、共有の風景がもてれば、そこには持続可能なアメーバ-型
組織が存在するかも」 というのが、自分なりに大いに納得した点。
こういうことにいきつくのに、この3時間内で、すごいダイナミズムがおきて、実に面白かった。
梅崎さんのブログにそのときのホワイトボードの一部が。

最後の全体会では、印象に残ったことなどを共有しつつ、その後、立食パーティー。
とにかく清泉寮は食事がものすごくおいしい、温泉もある、自然環境にめぐまれて、ほんとに
贅沢な場所。

その後、実行委員会の反省会に半分でて、さらにさらに、希望のあった11名をつれて、
科学館のプラネタリウムへ。 京都や滋賀・・と遠方からきてくださった方まできてくださって
ユニビューや番組をみていただく。 そして夕方外にでると、水星、金星、木星、月!
その中にいらした牧野さんによる写真が彼女のfacebookに。
素晴らしい感動をもう少ししみじみ感じていたかったのだけど、私は早々に、みなみを迎えに
去ってしまったのでした。 
とにかく充実した3日間。 
フォーラムで出会えたみなさん、ありがとうございました!
by malicosmos_meme | 2012-03-04 05:22

by malicosmos_meme