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Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙

malicosmos.exblog.jp

「つなぐ」「つくる」「つたえる」「とどける」 これが自分の仕事のキーワード

星に導かれて~5、6月振り返り

あのともしびの一つひとつは、見渡すかぎり一面の闇の大海原の中にも、なお人間の心という奇蹟が存在することを示していた。(中略)
それぞれの糧を求めて、それらのともしびは、山野のあいだに、ぽつりぽつりと光っていた。努めなければならないのは、自分を完成することだ。試みなければならないのは、山野のあいだに、ぽつりぽつりと光っているあのともしびたちと、心を通じ合うことだ。
サンテグジュペリ「人間の土地」(堀口大學 訳)

大学生のころ、この文章を自分の手帳に書き写して、持ち歩いていた。たぶん、この精神は、自転車で旅をして人に出逢うということに意味づけし、何かに向かって歩く自分を奮い立たせるのに十二分なものだった。
それからちょうど倍の時間を生きてきて、ますますこの言葉を噛み締める。会うべきともしびがどこにあるのか、あのころよりはるかに、クリアにそれを知っている、いや、たまたまなことがほとんどだけど、でも気づくことができる、なぜか引き合う、そして、心を通じ合わせたり、共感したり、感動したりする。それが、自身の仕事における価値、すべてといっても過言ではない。そういう毎日を送っている。
待ってくれる人がいる。そこにいける。それはなんてありがたいことか。

それにしても、いつもだいたい忙しいのだが、ここ数か月は、ほんとに「超」がつく多忙中にあった。1か月に1回のブログさえも書けずに・・・
でも、あと数か月たつだけで、もうあのときのことを忘れてしまう。それがあまりにももったいないので、やっぱり書いておく。2か月分まとめて。

<イベント5,6月>
〇病院がプラネ
5月GW明けの西新潟病院から、今年の「病院がプラネタリウム」本格的にスタート。
2か月の間で、4か所。
西新潟病院や甲府病院の重心の方々にも、だいぶいろんな反応や笑顔が見られるようになってきた気がする。西新潟、山梨大、信州大、長野こども病院。山梨大学の病院では、ちょっとガキ大将の子が、2回ともみにきて、ドームをたたむころに、それが残念で、ドームをバンバンたたいていたり、信州大の院内学級にいた中1の男の子、すんごい素直な子で、「銀河の外に出たとき涙がでた。なんか、ぼくたちは小さいけど、だから一生懸命生きなくちゃいけないんだと思った」とまるで、模範生のように語ってくれた。
長野で、どうしても、といって、最後の1回を特別投影してあげた5歳の子は、翌日、「ありがとうございました」と看護士さんに挨拶にきたという。
この活動のことを、サイエンスライターの林公代さんが、素晴らしい文章でまとめてくださった。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/me/dspace/column/c1506_2.html
林さんもずっとコラムを書き続けているが、これまでも最高に近い反響をもらったとのこと。いろんな意味で、このプロジェクトのポテンシャルを感じている。
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〇学校公演
八ヶ岳に宿泊学習にくる子ども達。今年はあらたに、東京の高校生にも話をする機会ができ、嬉しい。あまり「一概に」言うことでもないだけど、山梨と東京と、生徒たちのノリは、全然違う、と感じることが多い。東京の子たちのほうが、直接みてとれるリアクションが大きいので、こちらはだいぶしゃべりやすいのであった。終わったあとに、直接、「めっちゃ感動しました!」と、そういう第一声があるのは、とても嬉しい。
川上村で行われる「三鷹星空教室」も3年目。三鷹の子ども達も、ほんとに「さすが」と思うほど、宇宙への興味関心高く、質問がまったく終わらないし、自分の考えも言える子が多い。しかし・・毎年、6月後半なものだから、一度も本物の星空をみれたことがなく、しかも、私たちが帰る22時ぐらいになって、晴れてきたりして、天の川がバリバリみえたりなんかして・・子ども達にとっては、もしかして、これが一生で一度の天の川体験になるかもしれないって思うと、ほんとに、梅雨はもっとも避けてもらいたい季節なのだけれど・・・

〇とよた科学体験館でspace fantasy live
去年のJPA愛媛にて、space fantasy liveをやらせてもらった。そのときに、「何億かけてつくるハリウッド映画より、ずっと上質」と評してくださったのが、とよたの大岩さん。そして、とよたに呼んでいただけることに・・。
あちらのデジタルプラネタリウムのシステムが、ふだん私が使っているものとはだいぶ違うため、かなりご苦労かけて、事前に仕込みをしていただいた。
「やっぱり極上です!」とまた評していただき、また来年も!! と。
愛知周辺の知人たちに十分声をかけられず、次はしっかり宣伝しようっと。

〇池田綾子星空コンサート、「きみが住む星」
プラネタリウム番組「きみが住む星」の音楽を担当してくれた池田綾子さん。去年、FMFUJIの放送部長の手塚さんからの紹介にて、ライトダウンやまなしのコンサートに出ていただき、それからのご縁。自然と一体化する、芯の通った力強い感性。それにどこまでも澄んだ声。そして、このコンサートにあわせて、「きみが住む星」サウンドトラックを、綾子さんが手作りで。この番組の制作チームである、エクスプローラーズジャパンの石尾さんや小瀧さんが、一生懸命手伝ってくれたのでした。
「きみが住む星」、池澤夏樹さんご本人、ドームで見ることがまだ叶ってないけれど、DVDをみて、「とてもよかった」とおっしゃってくださった、と。ありがたい。
いろんな人たちの感想にある「よくわからないけど、泣ける」という言葉に象徴されるように、プラネタリウムは「体感メディア」、そして、自分たちが宇宙内存在であるということを、この番組で体感してくれた人たちはとても多かったと思う。
「きみが住む星」は、バンドー神戸青少年科学館で上映中。また夏から、ぐんま子どもの国でも。「都会」の人たちにもっともっと見てもらいたいけどねえ。
池田綾子さんの「きみが住む星」サウンドトラック、手作りものは、あと数部私の手元に。また、もっとジャケットデザインなどもして、流通に載せるものとして、売るものは、まもなくネット上で発売とのこと。
「きみが住む星」公式ウェブサイト http://www.kimi-yamanashi.com/

〇スウェーデン大使館でオーロラドーム
去年、スウェーデン大使館が主催するイベントに、オーロラドームを出したら、何千人?7千人?という人たちが集まり、パニックになった場所(苦笑)。今回は、観光会社の方々向けのセミナーということで、その心配はなく。それぞれに反応してくださる方多くて、また今後につながるなーという出会いもさまざま。
オーロラ、今、自分がやっていることごとのすべてのスタートラインだったもの。それと、何かしらずっとつきあいながら、生きていけるのはこれもやっぱりありがたいこと。

〇大学生のキャンプ研修
夏に、東京・多摩地区の子供たちが200名、「天の川ツアー」にくるお手伝いをしている。1泊2日を3回にわけて実施。その200名定員に、なんと1800人の応募があったという。主催の手厚いサポートにより、参加費が5000円という破格の値段ということもあるけれど、「天の川」ニーズもきっと高いのだろうな、と思う。これが参加費2万だったら何人だったかなー知りたい。 そのときの子どもたちのキャンプリーダーになる大学生が、2回、研修にきて、彼らに講演。そして観望。1回は、すごいどんぐもりのなか、すこーし雲が切れる中に、流れ星を発見したり(見たのは2名のみだったが)。
暗くて広い広場に、寝転んで、天の川見えたら、ほんとに最高なんだけど・・・
晴れと曇りでは天と地だなー今回のツアー。とにかく晴れることを祈るのみ。

〇陸前高田「星空書簡Ⅱ 瞳に星を、くちびるに歌を」
星つむぎの村チームで、陸前高田の朝日のあたる家にお邪魔するのは、3回目。前回の去年5月の書簡で、素晴らしい手紙を書き(そのときのレポートはこちら)、11月に再会、深夜まであれこれ話し込んだ高校生のほのかさん。彼女が、「宇宙の森」という詞を書き、それに覚さんが、曲をつけた。
今回のステージ、覚、丸尾、私でやるものとしては、初の試みもあり。反省もあり。ほのかさんの詩は、最後に、彼女自身の朗読と丸尾さんのBGM、そして覚さんによる歌と。
後半の手紙シーンでは、これまた去年きてくださって、「ぼくのところにもきてください」と、自身が働く作業所にお誘いくださったKさんがかいた詩に、今度は丸尾さんが曲をつけるシーンも。Kさんの働く「あすなろホーム」は、11月にいかせてもらった。その際のことは、こちらのテレビでも紹介された。彼は、1回目のとき、望遠鏡で「すばる」を見たのが、自分にとって大きなできごとだったと、話してくれた。
その日は、遅くまでチームで振り返りの会。今後、長く、おつきあいしていくのに、最善の方法はなんだろうか、私たちが関わりたい理由はなんだろうか、いろいろと考えながらおつきあいを続けていきたい。ほのかさんやKさんのこれからをずっと見ていたい。
翌日は、大船渡で、はじめてお邪魔する「おはなしころりん」 駅前の通りに、絵本がずらっとならぶお部屋、通りに、「さしあげます」という本がたくさんならぶので、観光客らしい人たちも立ち寄る。小さいところながら、うまくスクリーンを設置して、りっぱなシアターに。未就学児、小学校低学年から中学年の親子が非常にほどよく集まってくれていて、反応もとてもよくて、楽しい時間。

<企画・制作もの>
〇「戦場に輝くベガー約束の星を見上げて」のことごと
戦場に輝くベガ公式ウェブサイト http://www.veganet.jp/ 
戦後70年、という文字、言葉、あちこちで目に、耳にするようになった。あの〝戦争法案“に関わる議論に、多くの人がしっかりと向き合う、考えて、行動する・・いい機会なのだろうと思う。「ベガ」もおかげさまで、単発イベントも含め、現在のところ、11箇所。多くの人たちが、自分たちと決して無関係ではないその存在に気づく、そういう機会であってほしいと思う。
広島や沖縄という、戦争の記憶が色濃く残る場所での上映の他、鹿児島は、ストーリーで登場する鹿屋がある。所沢は航空機専門の館だし、いろいろなところで、その意味を見出してもらっている。
所沢では、天文航法の歴史をテーマにした特別展「星に導かれて~天文航法の歴史」をプロデュースさせてもらっている。 所沢の特別展のページはこちら
完全リメイク版の監修もやっていただいた井上圭典さんがかつて寄贈してくださった、B52に搭載されていた航空機用六分儀を実際にのぞけるコーナー、ひとりプラネと称した展示、などもあり、展示内容は、やはり「ベガ」にいろいろ協力してくださったり、ベガを広げてくださったりした人たちのおかげで、成立した。人の関わりは、人生のいちばんの財産とつくづく思う。

ベガについて、今年も「星ナビ」8月号に、「70年目の夏 今もベガは輝く」というタイトルで、この70年を星視点で概観し、ベガから育っていったこと、「今」の日本に思うことなどを交え、記事をかいた。よかったらこれもぜひご覧いただければ。赤旗7月分のコラムも「ベガ」で。

〇心魂プロジェクト
難病の子ども達、長期入院の子ども達を中心に、病院・デリバリーパフォーマンスを行っている心魂プロジェクトのみなさん。元劇団四季や元宝塚という、超一流アーティストたちの集まり。彼らが、長い夜を病院で過ごすのに、やっぱり夜は宇宙を想像したい!ということを思い、宇宙をテーマにした新作に取り組みたい、と思っていたころに、難病ネットの荻須さんが、私たちを引き合わせてくださった。4月にメールをもらい、そのあとすぐにあって、そのあと間もなく、横浜の彼らのスタジオでプチspace fantasy liveをやって、その後、彼らは合宿で、新作づくりをし・・。たまたま私が東京にでて、2時間ほど時間があったときに、シナリオと映像の打ち合わせをし・・やっぱりこれはUNIVIEWでしょってことになり、UNIVIEWの高幣さんに許可とり、6月あたまの千葉東病院での新作第1回目のリハにお邪魔して、そこで、必要な映像をチェック、その後、1週間ぐらいでUNIVIEW映像をつくって提供・・・という超スピード、でも上質作品づくりに参加したのであった。代表の寺田さんはじめ、ほんとに熱い想いを持って取り組む人たち。同じ志・・同志って、こういうことを言うなあ、と思いながら、すごくいい刺激をもらっている。刺激だけじゃなくて、具体的に彼らのパフォーマンスの在り方とか、ほんとに勉強になることも多々。
9月26、27日には、横浜ラポールにて、心魂プラネタリウムミュージカル、一般向け公演。
私自身は、「生UNIVIEW」やりながら、参加します。
ぜひたくさんの人たちに、あの「熱」を感じに、来てもらいたいなあ、と思っています。
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=52804

〇プラネタリウム番組新作「星空へのリクエスト」
これまた4月ぐらいからわわわーとはじまった制作。実際に動きだしたのは、4月終わりから・・これまたスピード、でも上質(笑)のはず・・。
ラジオ番組がしたてられた、プラネタリウム番組。ラジオというメディアは、星空とすごく親和性あり、というのは、ライトダウンやらせてもらったり、「星ひかり」というラジオやらせてもらったり・という中でずっと感じてきたこと。
こういうラジオ番組企画できるといいなあ、と思っていたものを、プラネでやっている感じ。それに関わってくださっている人たち、FMFUJIで、パーソナリティつとめている神田亜紀さん、第10回ライトダウンのときの彼女の進行素晴らしく、そのイメージの中で、シナリオを描く。彼女、これに関わったことを、心底喜んでくれて(ほんとに、すごい喜びよう)、こういうのこそ、新作をつくる喜び。人を幸せにするプラネタリウムだなと思う。
音楽は、大好きな小林真人さん。相変わらず彼の音楽から離れることできず(笑)。ジャズテイスト、ボサノバテイスト・・そんなもののアレンジのことを想いやっぱり、ということで。映像は、甲府出身の中村啓さん。すごい山梨DNA・・ なんだけど、でも山梨番組ではなく、他の館なのである。
声の出演には、実は、渋谷プラネの永田美絵さんも!番組中には、スターナビゲーションや船の話もあり、またもや「天文航法」づいている夏であった。
正式には、7月半ば・・・なのだけど、こんなに書いている。また、ウェブサイト、FBなどでお知らせしていきます。ほんとにご縁の多い、神戸で9月から封切!

〇帆船「みらいへ」
明石天文科学館の井上さんがご紹介くださってのご縁。日本で、現在、一般の人たちがのれる帆船としては、唯一の「みらいへ」。グローバル人材育成をミッションとして、帆船を使ってのイベントや研修をさまざまに展開している。
船・海と、星空は常に友達関係。やっぱりここでも、天文航法。
8月29-30日。横浜港発着。宇宙といのちの話、戦場に輝くベガを体験してもらいつつ、みなさんと何かしらの想いの共有ができれば、と。もちろん本物の空の時間もなるべくたくさん、この日は十六夜なので月の出も体験。月あかりに照らされる水面も楽しみ。帆をはったり、六分儀体験も、いろんな意味で他にない体験になるかと。上記のプラネタリウム番組中のラジオ番組「星空ポスト」と、気持ちはほぼ連動している。
8月29-30日のイベント詳細は、こちら

〇星の語り部の夕涼み投影「天の川の向こう~いのちのリレー」
2004年から10年以上続けてきた、星の語り部の夕涼み投影。毎年、何かしら新しい風が吹いて、新鮮なものができあがる。10人以上がよってたかってシナリオを書く、というのは、ふつう考えられないことだと思うのだけど、それをずっとやってきているのが、星の語り部。4月からあらたに加わったメンバーが、画伯のように、素晴らしい絵をかくので、今年の売りは、彼の絵。これで、個展、絵本、やりたいね、とみんなで話をしている。
音楽は、こちらから依頼して、韮崎在住の、サガノユウキさん。彼も、プラネタリウムに関われることを、心底喜んでくれて、「いのちのリレー」という、ご自身にとっても会心作を生み出してくれた。宇宙や星空は、ほんとにそうやって、人々の表現に、すごい力を与えるものだとも思う。
7月18日から公開。上映情報は、こちら
星の語り部公式ウェブサイトは、こちら
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〇子ども達
高校生の息子、はじめての学園祭。朝に夕に、学園祭のための準備にあけくれ、制作ものなど、クラスの子たちと、ほんとに楽しく活動していた様子。合唱やら、制作やら、パフォーマンスやら、さまざまな得点を合計してのブロック対抗では、見事優勝して、むちゃくちゃ盛り上がった様子。打ち上げ会には、全員出席という、仲良しのクラスにいられて、ほんとによかったなああ、と。学園祭マジックという言葉があるそうで、みんなハイテンションになって、つい好きな人がいっぱいできて、カップルが多数誕生するそうな。

5年生の娘、6月に誕生日を迎える。誕生日に黒板買ってもらって、ご満悦。
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友達から借りてきた「お仕事図鑑」の「漫画家」のページに書かれた少女が自分にそっくり、しかも、「ふたご座」があってる、とまで書かれていて、ますます調子に・・
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いつかほんとになったときに、とっておきたい1枚。
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by malicosmos_meme | 2015-07-13 01:09

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