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Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙

malicosmos.exblog.jp

「つなぐ」「つくる」「つたえる」「とどける」 これが自分の仕事のキーワード

コンステレーションという視座―4月振り返り

柳田邦男がその著著「読むことは生きること」の中で、心理学者の河合隼雄氏が語っていることを、簡潔に書いている。「私の思考を刺戟しているのは、「コンステレーション」というものの見方と、「物語る」という表現法の相関関係だ。(中略)いろいろな事柄の全体像をあるがままの姿で把握する、つまり、ともかくそこに“星座”に相当するひとつの全体が出来上がっていることを認める、というものの見方がコンステレーションの発想法だという。もう一つの「物語る」とは、生きること・死ぬことについて、腹におさまるように話をつくることだという。(中略)このように、腑に落ちるように物語るには、バラバラに見える様々な事柄のコンステレーションを読み取らなければならない。」


震災があった。隣の家は半壊だったが、自分の家は全壊であった。あの人は無事だったが、この人は無事でなかった。なぜ、こんなことになってしまったのか。なぜ自分は不幸な目に合わなければならなかったのか。人は、こと、突然降ってきた大切な人の死や自身の病気・事故など、理不尽なものに対して、その意味を追及したがる。生きているものはいずれ死んでゆく、そして、その生き方もさまざまなスタイルがある、ということにどれだけ寛容でいようとしていても、やはり、そこに意味がほしいのが人間。その意味づけのための、物語が必要なのだ。しかも、「腹におさまるように」。人生の選択においても、日々の小さな選択においても、私たちは一つひとつ、意識するしないにかかわらず、何かしらの意味づけをして生きている。つまり、物語を生きている。その物語ができれば、人生は肯定できる。

コンステレーション(星座)は、心理学の用語の中だと「布置」という意味を持つ。「一つひとつはバラバラに見えることも、全体を見てみると、そこに意味を見いだせる」という事象。どんなに困難な目にあっても、それが転じて誰かの役にたっていたりすること。あるいはその後の自分を幸せにしていること。それら全体を俯瞰してみることができれば、人は生きていくことができる。


「つなぐ」仕事と言うのはある意味において、コンステレーションを見出すことでもあるのかもしれない。


さて新しいスタートの4月。あらたなコラボレーションへの興奮と、新生・星つむぎの村へのエナジー、など。


☆須玉・津金学校にて

ピアニストの太田美保さんとのイベントを企画してくださった津金学校の望月さん。太田美保さんは、今年にはいって冬の間の山日新聞に大きく取り上げられている記事があって、キーワードが私とまったく同じだったので、「ん?私のこと?」と思うぐらいのもので、気になってその記事もとっておいたという人。それからあまり間をおかずに、いろいろと偶然と必然かさなり、コラボレーションができることになった。2月に私の講演を聞いてくれて、涙を流して感じ入ってくれたのもあったり、もちろん彼女のピアノの楽曲も聞かせてもらう機会あり、そして、震災への想いやアクション、場づくりについての妄想の方向性(苦笑)やつながり力、そんなものが互いの共感を生むのに十二分。しかも、誕生日が同じ(笑)。

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太田美保さんのFBから

「真っ暗な闇夜の中のステージに映し出される壮大な宇宙の姿、真理子さんの語りにインスピレーションを頂き、ピアノを弾く、
そんな贅沢な時間を過ごさせて頂きました。

東京時代、朗読療法演奏士として、物語に曲をつけたり、舞台で朗読士の読みに合わせて演奏したり、そんな仕事をしていた訳ですが、真理子さんの声、語りというのは本当に不思議で、何というか、何か非常に強く心を動かされるのです。

それは、きっと「こうしてやろう、ああしてやろう」などという思惑が一切なく、紡がれる言葉も声色たちも、ありのままの真理子さんそのものだからなのだと感じた私。そんな形がねむぴあのの世界とリンクしているから更に真理子さんの世界が心地よく、溶け合う事ができるのだなぁとも。

素直で強き想いは、人の心を溶かし、揺れ動かす。そんな、愛と宇宙そのものの真理子さんの世界とご一緒させて頂ける奇跡。

この場につないでくれた津金学校の望月さん(もっちゃん♪)いつも支えてくれる仲間のみんな。
ただただ貴きご縁に、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。本当に本当に、ありがとう~!」

今の構想は、子育て中のお母さんたちへの癒しイベントを行うこと。他にもいろいろやっていきたいとがありそう。


☆心魂プロジェクト一般公演 ミュージックシャワー「プラネタリウムxヨガor太極拳」

 心魂のみなさんと公演でご一緒させてもらうのは、今回で2回目。前回のプラネタリウムミュージックとはまただいぶ違う時間だった。有永美奈子さん(ヨガ)と、齊藤志穂さん(太極拳)それぞれの渾身の作。
プラネタリウムに携わって20年近く、星や宇宙で人をつなぐ、はもちろんだけれど、星や宇宙と異分野をつなぐというのも大きなテーマであり続けています。人類史の中で、星は常にあり続けているし、そもそも、やはり学問とか思想とかの根源的なところに星空はあったので、一見だいぶ違う分野に見えることも、かならずつながっていく。それらを具現化するために、番組制作などを通してやってきたことは、神話や伝説などで人々が物語ってきたことと、サイエンスの言葉で物語られることを、対称化し、重ねていく作業。
ヨガには、「梵(ぼん)我(が)一如(いちにょ)」という言葉があって、「宇宙と私は一つ」と最初から言っているようです。太極拳の根底にある「陰陽思想」は、自然のすべては陰と陽の関係性でなりたち、つまりは死があって生がある、闇があって光がある、まさしく宇宙で起きていることごとをそのまま言っているようでもあるわけで。生命に死がプログラムされ、性が登場してはじめて生命は進化を遂げたということも、まるで陰陽思想そのものなのか、という気づきが一番大きかった。私も多くの発見をさせてもらった。
 人々は大きな自然の一部であり、その自然の不思議さを物語るために「知」を積み重ねていく。その「知」はやっぱり、私たちが生きるための物語でなければならないと、あらためて思うし、それを人々と広く共有するために、アートはなくてはならないもの。人々の生死にかかわるサイエンスとアートを私たちはやっているんだと思う。今回のプログラムがまだまだ進化して、ケアする人のケアになっていくといいな、と願っている。

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1日目に、高校時代の友人がきてくれた。去年あたりから、私が横浜に出没しているのを(笑)気づいてくれてて、ずっと気になっていた、と。

「旅育」に携わる彼女が、ブログでレポート書いてくれた。こちら 一緒に仕事ができるね、したいね、と。

2日目にきてくださった、心魂つながりの黒井さんは、私たちの共通の友人がいることに気づいてくださり、そのつながりがまた濃い~感じに

なりそうな予感。彼女がFBに書いてくださった感想が、とても素晴らしく。こちら


★富士山ふもとの音楽フェス

環境教育に携わる小川結希さんと、「つなぐ人フォーラム」の際に盛り上がった話。彼らが、現在、あちこちで行われている野外音楽フェスにおいて

環境教育のアクティビティをいろいろ持ち込むチャレンジをしているという。万単位の人が参加する音楽フェスで、もっと環境のこと、伝えたいという想いのもと。

夜もずっと行われるイベントなので、星を見るプログラムぜひ、そうだ! ステージでライトダウンして、みんなで星をみよう!っていう時間を5分だけでももてたら・・すごい!っという妄想になり。いきなりそんな壮大プロジェクトを実行するのも難しいのでは、まずはプラネのプログラムなどで浸透させつつ・・ということで、今回、お邪魔したのが、富士山の「ふもとっぱら」で行われた、GOOUT JAMBOREE

いろんな意味でのカルチャーショックがたくさんあり、驚くことばかり。しかし、そこは富士山を大きくのぞむ、大変素晴らしい場所なのであった。その日の夜は曇っちゃったっけど、ここ、星絶対きれいだなーというところでもあり。これからいろいろ期待したいところ。

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★熊本の地震
富士山に向かった日の早朝に、2度目の大きな「本震」だった日。ずっと気持ちがざわざわしたままだったけれど、その翌日の「星につつまれて」コンサートでは、熊本への祈りの時間になったことは、多少、「こちら側」にいる人間にとっての救いの時間であったかもしれない。
熊本は、赤十字病院の小児科の看護師さんが、病院プラネにきてほしいと打診してくださった場所であり、東区にあって、救急搬送される場所でもあるので、どれだけ大変な目にあっておられるか・・と思ったり、熊本県立の高校で、去年の文化祭に「ベガ」の上映をしてくださったところがあり、そこもかなりの大きな揺れだったところなので、先生にメールを送ったり。
とりあえず・・ということで、地震1週間後の週末に、いつもライトダウンプレイベントでお世話になっているラザウォーク甲斐双葉というショッピングセンターにて、熊本支援プラネタリウムを、星つむぎの村でやらせていただくことになった。
そのレポートは、星つむぎの村サイトのこちらで。多くの方がメッセージを寄せてくださった。そして、そのメッセージを入れ込んだ、動画を制作。
上記の高校の先生などが、twitterなどで拡散してくださったりした。

今年のうちに、必ず、熊本、訪ねたいと思う。

★星つむぎの村を軌道に
4月最初のころに、30人ほどが集まった村ミーティング(こちら)を契機に、いよいよ村活動が開始。オリエンタルリゾート八ヶ岳ないのセミナーハウスを
拠点の一つに使わせてもらいながら、活動があれこれはじまる。
顔が見える範囲の「プロジェクト村民」、なるべく裾野を広げて、いざとなったらいろんな人たちが賛同、共に活動する仲間になってもらうための
「購読村民」、「やりたい人がやりたいことだけやれる場」であり、かつ、一人ひとりにとっての幸せを広げる場であり・・いろいろと理想は
高いのだけれど、さまざまに有機的なコミュニティをつくっていくのはなかなか難しいところもあり。
でも、多くの人たちの癒しや励ましの場になりたいし、これはきっと人生の最後まで続けていくものになることにも間違いがない。
その機能をきちんと回していくためなら、エネルギーは惜しみなく注ぎたい。
そういう点において、時間ばかりだけでなく、自身の足りない能力のこともあれこれ思うことも多いけれど・・
星つむぎの村サイトはこちら
よかったら、ぜひ、購読村民やプロジェクト村民になってくださいませ。

★大学
4月はじまって早々に、実家にほど近いところにある短期大学にて、講演をさせてもらった。以前、私の話をきいて、いたく感動してくださった先生が
呼んでくださり。そしてそこの大学には、もう8年も前にお会いした方がいらして、超久しぶりのびっくりな再会、とかも。
他、山梨県立大での授業は、7年目を迎える。今年もまた180名近い学生。最初の授業のときから、先生の活動に興味あり!一緒になにかやらせて
ください、といってきた学生あり。
星つむぎの村、若手部分をになってくれるといいなあ、と願う。

★ピアノ発表会
小6になった娘、ふだんは小さい教室で面倒みてもらっているので、大きなところでひくのははじめてのこと。
なんとベーゼンドルファーのピアノのあるホールにて。
緊張のあまり、最初から10秒で止まってしまったというハプニングもありだったけど、そのあと最初から
やり直して、最後までひききる。 
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★手紙
2年前にお邪魔した支援学校の生徒さんから、「就職してがんばってます」という嬉しいはがきが!
しばらくご無沙汰していた年上の友人から、ガンで入院している、というはがきも。。
そして再び、このフレーズを自戒をこめて思い出す

「二度とない人生だから いっぺんでも多く便りをしよう 返事はかならず書くことにしよう」
(中略)
「二度とない人生だから のぼる日 しずむ日 まるい月 かけていく月 四季それぞれの星の光にふれて わがこころを洗い清めてゆこう」
板村真民「二度とない人生だから」




by malicosmos_meme | 2016-05-15 16:21

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