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Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙

malicosmos.exblog.jp

「つなぐ」「つくる」「つたえる」「とどける」 これが自分の仕事のキーワード

 やはり月刊になりさがりそうなこのページ・・・ しかし、今日久々に自分のブログページを開いたら(開いてさえもいない、この無責任さ) コメントが入っていたので、急に書く気満々になったのであった。
 仕事復帰して1ヶ月がたった。初日に感じた違和感は、翌日にはだいぶ薄れ、数日後にはほどんどなくなってしまった。その順応のよさに、自分でもがっかりした。(笑) 
ふだん、夫は遠く離れた場所で仕事をもっているので、平日は私一人で子どもを面倒みている。そうなると出張に出たり、夜の時間に外に出たり、仕事したり、ということは難しい。しかし、私が復帰してからの3ヶ月間、夫が育休をとってこちらにきているので、夜の行動がすっかり増えた(笑)。 この1ヶ月間、番組制作の大詰めというのもあり、出張は5回、そのうち何回かは夜にかかり、館における夜のイベントが1回、その他、飲み会は3回、いそいそとでかけた。そうは言っても、下の子はまだ母乳もかなり飲んでいるので、「時間ぎれ」というものがかなりはっきりしており、その時間を越えて私が帰ってこないと夫と子どもは大変な目にあう。
 ところで、先月、私にとってはかなりショックな「事件」があった。ほんとうはこんな「公開」の場で発言してよいものかどうか・・・というのもあるけれど、もし聞けるならば誰かの意見を聞いてみたい、という思いもある。 私は育休中、しょっちゅう子どもをつれて職場に出て、仕事をしていた。私の仕事場は、館にやってくるお客さんからもろ見えるガラス張りの部屋である。 もちろん仕事のために出向くのだけど、当然子どももぐずったりするので、あやしたりもしている。職場の同僚もよく相手をしてくれて、私もすっかりそれに甘んじていた。 その姿をよく見ているお客様がいらっしゃった。 「公的機関での職員が、子どもと一緒に仕事をしているとは何事か、仕事も子育ても片手間にできるものではないのに、そんなことが許されることではない。子どもを連れて仕事をするなんて、民間だったら即解雇だ」、というお叱りの(匿名の)意見書をいただいた。
 たしかに仰るとおり・・・。 我々の仕事はお客さん相手が基本の仕事であり、そのお客さんに公私混同と捉えられてしまうようなことをしていたのは、こちらが休み中であろうがなんだろうが関係はないわけで、それについては反省をした。 そして、自分では一生懸命・・なんて思っていることが、見方を変えれば、罪?にさえなる、ということも知った。 同時に、子どもを育てにくい社会について思わないでもいられなかった。 子どもってそんなに傍から見ても邪魔者なんだろうか?
 仕事にほとんどの時間を使っても、子どもとの密接な時間は夜のお風呂の時間や本を読む時間などでまかなう。しかし、一歩進んで、子どもがいろんな種類の人たちと関わりながら育っていく環境をつくりたいと思ったとき、仕事をしている母親にとってはなかなかその環境づくりが難しい、というのもこれまた事実である。 そのあたりを、自分の仕事場に子どもを連れてきてしまうことによって、甘んじて、ごまかしていたのかなあ、とも思うが・・・ なんだかどうも自分の中で整理がつかないのである。 
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# by malicosmos_meme | 2005-04-01 23:05 | Comments(12)
 今、4月からはじまるプラネタリウムの番組制作をしている。自身の役割は、今回は、プロデュース&脚本といったところ。 これまで私がてがけてきた番組
http://www.geocities.jp/malicosmos/plaindex2.html
では、それぞれ自分の役割も少しずつ違う。 私は、これまでプラネタリウムなどにタッチしたことのない人々を巻き込んでいくのを番組制作の最上のヨロコビとしている。 プラネタリウム番組は、「宇宙」というのを中心の軸にすえて、その周囲を取り囲む多様な分野(自然科学のみならず、歴史、民俗、文学、神話・・もろもろ)、音・音楽、映像、が複雑に関わりあう、総合芸術的なメディアだ。それゆえ、関わる人間も多分野からひきこめる。 番組制作に仕事として関わってくれた人は(観客としてではなく、という意味) 口をそろえて、そのメディアのおもしろさを喜び、また、まだまだ可能性はいくらでもある、と言ってくれる。 それが自身の仕事を支えてくれる気がしている。
 今回の番組は、「宇宙線」がテーマなのだが、その研究をやっている研究者の方々、新しいプロジェクトに関わる技術者の方への取材・インタビュー撮影、音楽は地元ミュージシャンによるオリジナル音楽をつくってもらい、全体の音演出の方、SEをつくる方ともイメージを伝えあいながらすすめていく。ナレーターさんは、以前別のお仕事でご一緒させてもらった方を選び、映像は研究者の手による理論シミュレーションにCGクリエイターさんがみせられるものに手を加えてゆく方法で・・・などという具合に、当然のことながらいろんな人間が関わる。そういう人たちとイメージや思いを共有していくプロセスがおもしろい。また、いろんな人たちの「仕事の仕方」が見えるのがおもしろい。
 一方で、プロデュースとか言ってみるものの、自身は何をもってしてこの仕事に関してプロといえるものにできるのか、という決め手がいまだにわからずにいる。 今回のテーマの宇宙線、それをかなりのレベルで理解しようとすれば、やらねばならぬ物理の勉強がやまほどあるが、そうそうそこまでやっていられないのが現状だ。以前、あるプラネタリウムのベテランの方から、「天文学者と対等に議論できるぐらいの知識がなければ、研究者とのコラボレーションなんて恥ずかしくて言えないはず」といわれたことがずっとひっかかっている。 プラネタリウム職員たるもの、天文学の基礎になる古典、電磁気、量子、素粒子物理学はもちろんのこと、最先端の天文学研究についていかなければ困るというご意見である。 そりゃ、それだけできることに越したことはない。けど、それがないとコラボレーションしちゃいかん、なんておかしいんじゃないの?とも思う。 科学者がもっていないものを、我々のような立場にいる人間は持っていてしかるべきで、お互いの持つところを掛け合わせるのがコラボレーションだから、と思うのである。じゃ、私がもってるものって何? プラネタリウムの職員や科学館の学芸員というものがもっている「専門性」っていったい何、っていうのは、実は結構奥深く(?) それゆえ曖昧である。あえて言うならば、お客さんのことをよく知り、各分野(これがほんとに多様)における状況をキャッチできる能力があり、企画力、オーガナイズ力を持ち・・・というところだろうか。しかし実際の中身は曖昧である。これらはいまだに社会の中で認知されている仕事になりえておらず、また育成している場所もないのが現状だ。
 こういう立場にいる人間の「専門性」というのが、だんだん注目されつつはある。たとえば「サイエンス・コミュニケーター」という言葉もそれの一つ。 このことを書き始めると終わらないので、これについてはまた次回。 
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# by malicosmos_meme | 2005-03-04 00:58 | Comments(2)
 2月27日、34歳の最後の日に、これまで半年続けていたウェッブ上の日記(実際は週刊、あるいは月刊(苦笑))を終わりにした。 28日の誕生日は、35歳のはじまりの日であり、育休からあける日でもあった。
 休み中でもあまり間があくことなく職場には足を運んでいたし、ましてや抱えている仕事もせっせと家でこなしていたが、それでも職場復帰というのは、結構大きな生活の変化であり、それなりのリズムをつくっていくには少し時間が必要な気がする。
 家における頭と体の働きと、職場におけるそれとは大きく違うことに気づく。 思考回路が変わるという感じさえする。 そして時間の使いようもまったく変わる。 何が「優先することなのか」も当たり前だけど違う。 仕事をするということは、何も職場に通うことではない。 もっともその人とその仕事に適する場所で、行えばよい。 職場が存在していることで、仕事の本質が見えなくなることも、世の中にはしばしばありそう。
 せっかく職場を離れたことで、得られたその感覚、なるべく忘れないように、組織における仕事と自身の活動と、そして家族のことと・・・微妙なバランスをとりながら、1年前とは違うスタイルで、生活の仕方を模索したいな、と思っている。
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# by malicosmos_meme | 2005-03-02 00:31 | Comments(0)