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Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙

malicosmos.exblog.jp

「つなぐ」「つくる」「つたえる」「とどける」 これが自分の仕事のキーワード

向かうべき道を―11月振り返り

11月、いろんな意味で、自分が向かいたいと思っているものに向かっている実感を得られることごとがたくさんあった。一方で、組織に関連したことになると、その背後にある日本の構造社会の決定的な欠点に若い人たちが振り回されているのをみて、怒りまくる日々でもあった。子どものことでも、その周辺の対応に怒ること多く、なんか全体的に怒りすぎて疲れちゃった・・感じもあるけど、こうやってあったことごとを並べてみると、なんかいいことたくさん(苦笑)。こうやって生きている。

★ユニバーサルデザイン天文教育研究会イン山梨
 11月1日、山梨県立科学館にて、ユニバーサルデザイン天文教育研究会分科会を開催、今回は「プラネタリウムと聴覚情報保障」というかなり絞ったテーマながら、ボランティアの方々含めて、遠方は島根から、石川から、茨城から50名以上が集まった。
 星の語り部のメンバーで要約筆記をやっておられる佐野さんからのご紹介で、山梨の難聴者中途失聴者協会の方々がプラネを見たいということにあわせ、要約筆記プラネをやることに。一方、去年、三鷹で行われたユニバーサルデザイン天文教育研究会後、ぜひとも毎年やってほしい、という声があるものの、大がかりなものはなかなかできない現実もあり、小さい分科会をできるところで、できる人がやれば、という思いがあった。せっかくならば、字幕つきのプラネ番組と、要約筆記つきの星空解説を見てもらいながら、それにいろいろ意見を言ってもらえれば・・・と、プチ研究会のつもりで準備開始。実際のところは50名規模となり、決してプチではなくなっていたのであった。正直、なかなかどうして大変であった・・けど、収穫もすごくたくさん。何よりも、たくさんの聞こえない方々が、「ずっとあきらめていたことが、やっと実現できて(プラネタリウムを体験することができて)ほんとに感激」と喜んでくださったことが、大収穫。
 午後の前半には、山梨、つくば、川崎の各プラネでの実践発表、京都大学の嶺重さんたちがつくられている手話と字幕での天文学DVDの話、そして、ろう者であるJAXAの長谷川さんのお話・・。長谷川さんは、小さいころプラネタリウムをみて情報が得られないことにがっかりし、それ以来、ずっとプラネをみていなかったのだけど、今日20年ぶりに見て、やっと願いがかない、こんなにも素晴らしいものがみられて(彼女にとっては100点満点だったそうです)大感激、とおっしゃって、それを聴いた参加者がみな、うるっとしてしまうような・・そんな時間。
 午後の後半は、グループディスカッション。山梨で見てもらったものへの具体的な改善提案やご意見、よりよいものを目指してのみなさんの真剣なご意見、これまた大収穫。山梨県内の聞こえない方々との、素敵な出会いもあり、今後につながっていきそう。今回の研究会のレポートを文章にして、「天文教育」という雑誌に投稿中。ユニバーサルデザインのこと、もっと学ぶべきだなあと思う。
 これだけ喜んでもらえる、ということは、逆に、当たり前のように彼らはその「機会」を奪われてしまっている、ということなんだなあ、ということも痛切に感じる。このときの出会いをきっかけに、現在は、次の番組でばっちし字幕をつけるためにあれこれ準備中。写真は要約筆記つき星空解説。
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★サイエンスアゴラ
 2006年に「戦場に輝くベガ」の話をして、と言われて初参加した、お台場の科学未来館を会場に開かれるサイエンスアゴラ。その後、2007~2010年は連続して「星の語り部」が参加。震災の年から少し離れていたのだけど、今年再び出展することに。お題は、「五感を使って表現しよう!あなたの星、みんなの宇宙」山梨から東京から総勢16名の星の語り部が集まって出展。系外惑星に名前をつけようキャンペーンがはじまっているのにあわせ、宇宙にはいったいどんな惑星があるんだろう??五感で感じ、表現するワーク。
見る、聞く、さわる、かぐ、味わう! 全部そろって体感して、自分だったらこんな星っていうのをあれこれと表現してもらって、みんなの宇宙をつくる。アゴラなので、みなさんじっくり見ていくっていうわけでもないけど、でもおおよその人が興味津々と寄っていらした。たくさんのお客さんたちはもちろんのこと、科学館で働きたいという学生さんや、日本の科学館、プラネタリウムや学校との現状を研究しにきたという韓国の先生、他の館の方たち、ネット上でのつながりがリアルになった方などなど、「アゴラ」らしい出会いもいろいろと。
にもレポートがさっそく掲載されてます。
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★病院がプラネタリウム
9月に行った国立甲府病院の療育ご担当の方からのご紹介で(というか彼女の前任場所なので)、西新潟中央病院。やはりここも重心の方々がたくさんいらっしゃる場所。
ドームで実施したときは、かなり一つひとつのことに反応される利用者さんが、多く、もちろんつきそいのスタッフのみなさんのおかげもあるのだけど、満天の星空に、宇宙旅行に行くときに、一つひとつ歓声をあげ拍手してくれて、それだけで、やはりドーム内が幸せ感に包まれる。そういうことを、きっと彼ら自身は、言葉としてはなかなか表現できないけど、きっと体で感じている。そう思わせてもらった時間だった。シアター形式のものもやり、そこには、すごいりっぱなエプソンプロジェクターが備えつけられていた・・。素晴らしく美しい映像であった。そして、日本海に沈むリアルな夕日も美しく。
 そして翌週には、再び甲府病院でも。少し実験的研究・・。星空が重心の方々にどんなものを与えられるのか、この空間を覚えてもらえると嬉しいなあ、と思う。
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★ベルグDE婚活
 婚活という言葉が出てきたころは、またもやしょうもない日本語が・・と思っていたけど、今やほんとにたくさんの人々が真面目に婚活に臨む時代。世の中にいろいろとある「体験型」のイベントと、婚活をつなげることで、いいコミュニケーションの場を生み出している八ヶ岳婚活委員会。ある意味、婚活イベントのさきがけをつくってきたみなさん。
移動プラネを、フランス料理やさんの2階に立ててしまって、そこにみんなで入って、星空や宇宙に見入る。実際の星空も見て、小さい望遠鏡ですばるを導入! 2回目のプラネではみなさんのご希望の星空を再現。そんな時間を過ごした。委員会のみなさんによると、彼らのイベントにきたあとに、これまで内向きだった人が、もっと外にで人に会おうという力をもらったり、自分に自信ができてくる人が多い、と。今回は、
「泣きそうで涙をこらえるのに必死でした(男性談)」
「今後の人生に大きな喜びを与えてくれそう(男性談)」
「すごい、すごすぎる(女性談)」
というような感想も。
このイベントに参加しようとした動機に、なぜか「高橋真理子さんに会いたいから」という女性がいて(笑)、何も1万円も払って私にあいにこなくてもと思ったけど、その方、いろいろ知ると、やっぱり同じ興味、同じ知人、などなどが十分にある方であった。
いろんな出会いがあっていい。出会いこそが人生。それそのものを楽しめるかどうか、それは、きっと天と地ほどの差をもって、喜びの度合を変えるものだと思う。

★スウェーデン大使館 outdoor week
スェーデン大使館主催のOutdoor weekという、スウェーデンのアウトドアの会社のプロモーションを行うイベントにて、オーロラを見せたい、という相談を受け、実に残念ながらその日に私自身がいけなかったので、ドームをたてて、オーロラコンテンツを見せることになった。オーロラコンテンツ制作には、いつもサポートしてくれる水野さんがすごくがんばってくださった。そして当日も設営や機器についてのサポートのため出向いてもらった。なんと、2日間で5600名もの方がいらしたらしい・・。かなりの方がオーロラ目的で。ドームは1回20名も入れないというのに・・ いなかったので、なんとも・・だけれど、レポートを聞くとそれはそれは大変だった感じ。お客さんにもだいぶご迷惑がかかったようで・・。けれども、「オーロラ」「ドーム」っていうだけでこの数・・。山梨にほしい(笑)。自分の常々、お客さんにきていただくイベントの企画の近くにいるので、人がどんなキーワードで動くのか、何を条件にやってくるのか・・というのは非常に興味のあるところ。オーロラは確かに人気。でも、こと、オーロラに日本人が惹かれるのは何故なのか? 結構それは謎のままなのであった。

★オーロラ、観望会
そんなスウェーデンの大使館がオーロラでにぎわっているその日は、私は、山梨の早川町というなかなか素晴らしい田舎で開かれているオーロラ写真展の関連イベントに出向いていた。星の語り部メンバーである、今福一仁さん、桂子さんご夫妻の、新婚旅行を兼ねたアラスカツアーでのオーロラ体験がそのまま写真展になっている。実はお二人の初デートは、科学館のプラネで、しかも「オーロラストーリー~星野道夫・宙との対話」。その後、科学館の観望会で声をかけられ、彼らの結婚式のときに、星空の演出でお手伝いもさせてもらった縁で、彼らはそのまま星の語り部で大活躍するはめに(苦笑)。そんなことで、一仁さんの写真展の関連企画で、オーロラの話と観望会をということで、二つ返事で応じる。
早川町・・深い谷間にあるので、空が狭いのだけど、その日は素晴らしく晴れて、天の川からM31からすばるから、オリオン大星雲から、ほんとに細かく星が美しく見える夜だった。その写真展がひらかれたcocorotoギャラリーは、「早川町にそんなおしゃれなギャラリーが??」と思う、これまた素晴らしい空間だった。ご主人が彫刻作家、おくさまはガラス工芸家。お二人の作品ならぶギャラリーは一つひとつ手にとって、見入って、興奮するもの多々。昔、木工職人になりたいと思っていた大学生のころを思い出し(苦笑)、春から再開されるというマグカップづくりの教室には必ずくる!ということを宣言。
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★らんどまーく主催「心の目で見る星空は? 美しい音色を感じながら星を楽しもう」
見えない、見えにくい子どもたちを持つ親のネットワーク「らんどまーく」。その代表の野澤さんも全盲の息子さんがいらっしゃる。かつて、熊本までいった「キャンプ」のときに、見えない子どもたちばかりがいる「星空観察」で何をやってくれるんだろうと期待していたら、実にふつうに、あの星は〇〇で、ここが〇〇座で・・という話でがっかりした、という体験をお持ちだった。これはほんとに残念だったなあ・・・と思う。当たり前だけど、見えない人たちにとって、俯瞰をするっていうのは非常に難しい作業。それでも、何だかよくわからないけど、楽しい世界、想像するに足る世界・・と思ってもらえればなあ、という気持ちで今回の企画にあたる。真人さんとあっこちゃんがいてくれるおかげで、音楽は魔法のように気持ちをとかすものだなあ、ということもつくづく感じる。こちらはなるべく触れるものを・・と思って、惑星の大きさ比較の模型、触れる月球儀、木星の点図、などなどを触ってもらいつつ話を地球から宇宙へ、そして銀河系へ。野澤さんの息子さんが作曲した「Floating alone」という音楽に、こちらが映像をつけて披露したり、盲学校にはいって大好きな吹奏楽ができなくて残念がっているMさんがフルートで、真人さんたちと共演したり。きっと一生忘れられないというぐらいのインパクトだったろうなあ、と思う。最後はみんなで打楽器をもって、明日を信じての演奏。音楽には勝てない(笑)と思った時間でもあった。
らんどまーくさんのブログでの報告はこちら

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★NYT5周年記念ライブ「GIFT」
結成して5年。本格的な音楽活動に完全に乗り出したのは今年。それで、700人ホールで単独ライブをやるっていう、その若いエネルギーがすごい。まだ20代の彼らが、こんな大きなイベントを企画して、そのマネジメントもしっかりやるっていうのもすごいなーとあれこれ感心してしまったライブ。彼らの音楽で人を幸せにしたい純粋な気持ちはすごく伝わって、確実にファンを増やしているように思う。他のゲストの方々と一緒に、「お見送り」をするとき、参加のほとんどの方が、NYTの二人と話をするために長蛇の列にならんでいたのも印象的。
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★プラネタリウム番組「きみが住む星」
池澤夏樹の世界をプラネタリウムで表現したい。ユニバーサルデザインを実現したい。世界を旅しながら、宇宙内存在であることを体で感じることができるような番組・・。そこに、FMFUJIの手塚さんのご紹介で出会うことができた、池田綾子さんのなんとも透明感に満ちた音楽と歌声。超ぜいたくな感じの番組になりそう。
ウェブサイトもオープンに。

★帝京科学大学での博物館経営論
今年から博物館経営論のほんの一部を担っている。ちょっと大学の手違いがあり、後期に半分以上のコマをやるはめに・・。でも、それだけ時間ができて、学生たちに企画ワークをし、そこから、博物館と自分の興味の対象をつなげる企画をあれこれ考えてもらった。そして、それを最終日に発表。
なかなかタイトルが工夫されていたり、そのまま博物館に外部連携企画としてもっていってもいいものがあったり、プラネタリウムに骨?、プラネタリウムで星言葉? 天井のあいた車で、ワイン飲みながらの星見ツアー? 他の大学ももちろんだけど、やっぱり、多くの若い感性につきあっていられるっていいなあ、と思う。
面白かった。

★メディア
共同通信が配信する「連載」を書かせてもらうことに。1回650文字しかないテキストで、10回分・・なので、いろいろな思いを投入するにはちょっと少ないけど、でもあれこれ書きたいことはいっぱい。
「宙を見ていのちを想う」という、以前、ホスピス在宅医の内藤いづみさんとの企画で使わせてもらった名前を、連載タイトルに・・。
人の心の中にある星空の風景やその意味、それを出会ってきた人たちのことを紹介しながら書いている。
12月クリスマス配信開始。全国の地方紙を見ている方がいて、万が一、その連載を見つけたら、ぜひとも・・教えてください。

★手紙
嬉しいお手紙のこと。ある学校で出会った生徒さん。space fantasy liveののちの、握手した手のぬくもりとあまりの奥深い瞳、先生からきく彼の変化ぶりに私が感動して、手紙とCDや本などを送り、その後、すごい長い時間かけて、何度も書き直して送ってくれた手紙。先生によると、先生が渡した便箋を使っては直し、とやっているうちに全部使ってしまって、結局別の紙をつかったのだ、と。ほんとに一生懸命書いてくれたことがとてもよくわかり、そして彼がとても感謝してくれていることも、すごく伝わってきた。彼のよりよき人生を心底願いつつ、出会えたことに感謝して。

★合唱祭・音楽集会
子どもたちのほうも、音楽の時間が長い月。蒼太の中学校の合唱祭、3年生の学年合唱はなんとアカペラの第九。すごい迫力~。
みなみは、音楽集会での「Believe」の伴奏。みなみのキャパを超えた感じの高度な伴奏、ほんとにみなみがやるのかどうか決まるのが遅いうえに、学校の先生はほとんど面倒をみてくれず、ピアノの先生がほぼ毎日つきあいながら指導してくれ、本人は、「サンタさん、きっと見ててくれるよね」といいながら、こんなに努力する姿を初めてみた、というぐらいのがんばりぶり。子どもたちの歌声とあわせて、本番に至るまでには、なかなかどうして小学校入って初めてぐらいの波乱万丈な日々。
でも、本人、しっかりやりきってえらかったなあ。他アートフェスティバルで、サンタさんとトナカイつくったり、11月から彼女の気もちはほぼクリスマスにあり・・。「サンタに見ててもらうために」部屋の前にはこんな10箇条も・・。私がゲームを嫌いなのを知ってて、10分で必ず終えるからやらせて、みんなと仲良くするのに大事なんだから、と訴えてきたのちの10箇条。
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by malicosmos_meme | 2014-12-19 00:59

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