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Malicosmos ―高橋真理子の小宇宙

malicosmos.exblog.jp

「つなぐ」「つくる」「つたえる」「とどける」 これが自分の仕事のキーワード

対極にあるもの~12月と2014年振り返り

2015年、あけましておめでとうございます。前年の分は、前年のうちにと思いながら、やはり明けてしまった。

12月の振り返りから。
音楽収録、映像、ナレーション録音・・いろいろなことがだんだん積み重なっていく。番組制作、たいてい時間に追われているのだけど(そして今回もそうなのだけど)、映像言葉にあわせて音楽作ってもらうだけじゃなく、音楽ができてからシナリオを音楽にあわせて書き直したり、音楽にあわせてユニビュー編集したり、字幕については聴こえない・聴こえにくい当事者に見てもらっていろいろな意見を聞いたり・・と、ドーム内での作品の宇宙・映像・音楽・言葉の絶妙なバランスについて、だいぶやりとりを重ねながら、だんだん良くなっていくのがよくわかる。それが面白い。池田綾子さんの透明でまっすぐな声と音楽に半分以上助けられ、すごくいい作品になりそう。31日(土)から一般投影開始、その前の週の25日(日)にはプラネタリウムフェスティバルで先行上映。こうご期待。
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★博物館経営論 今年は、帝京科学大学で博物館経営論を教えている。ちょっといろいろ予定外のことがあり、ほんとは数回だけ科学館の実践話をするっていうだけの役割だったのが、前期も後期もやって、後期は、学生の課題にも関わるようになった。それはそれでちょっとしんどかったけど、学生に、自分の興味の対象と博物館をつなぐような企画を考える企画ワークをやり、課題を発表する、そんなことをしたら、やはりこれがなかなかどうして面白い。企画っていうのは、どんな場面にもすごく必要な作業だったり力だったりすると思う。「「学芸員」って「雑芸員」とか言われて、何でもやらなくちゃいけないことの表現がなんだかな、と思っていたけど、「つなぐ仕事」って言われて、すごい納得できた。」という授業感想も。 学芸員の資格とったって、就職口なんてほとんどないんだよ、っていうこととか、博物館はどこも経営難で、とか、そういう「現実」もたしかにあるけど、学生にとってほんとに必要な情報ってそういうことなのかなあ、と。よりよい学芸員の仕事をやろうと思ったときに必要とされるスキルは、他のいろんな業種の仕事でも必ず活かされるものが実に多いし、博物館への関わり方は、職員になることだけじゃない。のちの納税者の一人として、博物館の存在を肯定的にとらえられるか否か、それも、日本社会の文化にきっと関わっていく。そんな思いで博物館ともつきあってゆく。

★日芸の授業
上記、博物館学の授業でも、「博物館は、自己採算できていないところがほとんどと知って、驚いた」(ネガティブな意味で)、という感想が結構あって、それを一つの話題にしてみたことがある。同じようなことが、日芸の授業でもあって、以下のようなコメントをもらった。「そもそも宇宙の研究って、なんの利益をもたらすんですか? はやぶさが地球の誕生の謎を解くとかいってますが、それは何の利益になるんでしょうか? まさか「知りたい」っていうだけで、あんな莫大なお金を投入できませんよね?」と。 アートを目指す学生、たぶん、この問題と、自分の行く先の問題はつながって考えていないんだろうな、という感じがした。このコメントを取り上げつつ、人間が生きる究極的な目的はなんだろう? 経済的な利益だろうか? 知の蓄積か? そんな話をした。社会が求めることと、自分が求めることの接点に、自分の仕事はある、ということも、折に触れて話をしているのだけれど、社会っていう漠然とした大きな対象物と自分という存在をつなげて考えていくのはやっぱり難しい。でも、一人ひとりが、いかに社会のこと(のほんの一部)を「自分ごと」としてとらえることができるか、そしてそれが機能できるか・・なんか、それがとても大事なんだよ、と切実に思いながら、宇宙のことごとは、人々の生き死にに関わってくる、アートだって生き死にだ、と一人豪語するのであった。

★幼稚園での公演
所沢文化幼稚園。所沢の未就学児のかなりの子どもが文化幼稚園にいくという巨大幼稚園。学園長先生は、感動と体験というモットーのもとに、子どもたちにさまざまな経験の場を提供している。幼稚園がもっている自然文化園は、小さな動物園顔まけの広い敷地と多種多様な生命があふれる場所になっていて、そこで子どもたちは育つ。去年、今年と、音楽と宇宙とっていう公演をやらせてもらった。時間がすごい短いけど、でも、宇宙も生の音楽もどっちも、っていうことで、エッセンスだけを凝縮して。学園長先生が挨拶で、「みんなが生きていくのにね、音楽はすごい大事なんだよ。友達をなぐさめたり、励ましたりすることができる。元気をもらえる。宇宙もね、すごい大事なんだよ。夢もくれるし、いろんなことを教えてくれる」とおっしゃっていた。この言葉をきいた子どもたち、あと15年ぐらいたって大学生になったとき、どんな発言をするんだろう? このときのことが体に染みついているといいなあ。
写真は、真人さんと園児の子たちとのピアニカセッション。
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★いろんな考え 
当たり前だけど、世の中にはいろんな人たちがいて、自分とは考えがだいぶ違うというか、対極にいるような人もいる。そもそも自分の国の首相を、心底信じられない状態にある、っていうのはすごく居心地悪く、そして腹立たしい。首相のことはさておき、対極、というか、なかなか分かり合えない相手とどうコミュニケーションするか? 避けるか、挑むか、それとも・・。何故こんなことを書くのかというと、いわゆる「えせ科学」もっとその先?の「精神世界」(スピリチュアル系)と言われる話を聞く機会があり、しかもその対極のサイエンスの立場に自分が立たされたことがあったので、ちょっと考えさせられることごとだった。 私がする「宇宙と自分のつながり」の話と、スピリチュアル系の方が使う言葉は実によく似たものが多い。おそらく、互いの究極的な目的は、私たちはどこからきたのか、私たちは何ものか、そしてどこへゆくのか、という納得の物語を獲得したいということなんだろうと思う。「存在」というものももっとも感じさせてくれるのは、宇宙であり、そこに自分たちと類似のもの、あるいは、違うものを探すことによって、私たちはアイデンティティを確認する。それをやりたい欲求は、どちらも同じ・・気がする。しかし、両者の決定的な違いは、「議論を重ねた回数」なんじゃないかな、という気がする。実験や観測データを積み上げ、理論によって照合し、違う意見の中で議論を続けて、磨かれていく、そこに科学の成果はある。一方、えせ科学やスピリチュアル系の話は、ある人がこう言っている・・ということがなんだか平気でまかり通る。たしかに、「スピリチュアル」の中にあるので、証明のしようがなかったりする。けれども、その内容によっては、どうやら大勢の人の心をつかみ、そこに多くの人たちが流れ、巻き込まれる。もしかしたら、あと数100年後ぐらい、現在の彼らの言っていることがほんとうであるということになるときがくるかもしれない。が・・ 現在の人類の「知の蓄積」の中で、それがそうである、と断言できるものは何もない・・はずのことを断言してしまっている。おそらく、科学であれば簡単に?論破できそうなことなのだけど。そのことを、「信じる」か「信じない」か、は聞いている側が決めればいいのだけれど、どうも、「議論のあるなし」「さまざまな意見の中で磨かれたものか否か」を見分ける力を自ら捨てて、ある一つの意見に激しく飲まれていく人がすごく多い・・・そのことに、ちょっと愕然とした。多くの人たちが、自分で考えることなく、でも、いつも何かを求めていて、宇宙や自然のことなんかわからないことだらけなのに、そのことをよしとせず、すごく大きな答えを言ってくれる人を求めている、そんな状況があるように思う。こういう現象は、やっぱりかなり危険なにおいがする。単純に、科学の対極にいる考えだからということでなく、人々がそのプロセスに疑問をもつことなく、信じていくその現象があやういと思う。。こうやって、なんというか・・今の日本は、よろしくない方向にものごとが進んでいるんじゃなかろうか?

★クリスマス星空コンサート
上記とだいぶ違う話題(笑)。科学館のプラネタリウムでのクリスマスコンサートは、毎年恒例。例年、19時ぐらいからはじまって、いろいろ終わるのは22時ぐらい、というコンサートが多かったのだけど、今回は、はじめて時間を早めの時間に設定し、親子でぜひというコンセプトにした。出演は、小林孝一くんとNYT。 どちらもプラネ番組の音楽に関わってくれた人たち。最初からドーム内を満たしていたワクワク感を、彼らは決して裏切ることなく、むしろそれをどんどん上昇させ、子どもたちは声いっぱいにクリスマスソングを一緒に歌う。とてもいい。どちらも、彼らのそれぞれのブログにたくさん写真があって、いい感じ。ぜひご覧ください。

★書く
書く作業が多かった。なんか、大変残念なぐらいに書く速度が落ちている気がする。締切が過ぎても過ぎても終わってない(汗)。
 一つは、共同通信の連載。1回分たった650字の短いものなので、そんなに時間のかかるものじゃないのだけど、でも、なんというか、自分のスタンス的には、いつかきちんと本で出したいなあ~と思っていることごとの断片を書いている感じがしていて。なんか大事にしないとな、と。12月クリスマスの日から配信が始まっている。けど・・・共同通信の担当記者も、どこの新聞でどう掲載されるのか、なかなか把握できないらしい・・。このネット時代に・・とも思うのだけど。 
 別のものは、今年刊行されるプラネタリウム関係の本のコラム。これも決して長くはないのだけど、自身がやってきた「地域のプラネタリウムだからこそ」というのを、どう一般書に書くか・・っていうことをしばし悩んだり。
 さらに一番長いのが・・、博物館情報学の教科書原稿。この話はすでに1年前からあるんだけど、そして締切ははるか昔だったはずなのだけど。これもまた、自分がかなり、「勝手に走りながら感覚的にやってきたこと」を文章にまとめなおす作業。つまり、番組制作のことについて書いたりしている。そしてまだ終わらない(汗)。  別のまとめ作業としては、この1年間の「病院がプラネタリウム」の報告。ある意味ライフワークにしていこうっていうこの活動の実践状況については、ちゃんと発信していきたい。まだどこに?というのがよくわからないのだけど。 
 年賀状・・は、書くという作業でもないけど、それでネットでもいいかな、と思いながら、でも、やっぱり「紙」で送ったほうが・・という気持ちがある。自身の昔は手紙魔、自分のノートにはことあるごとに「悩みを書く」ことで、自分自身の気持ちを整理したり、その先のことを考えたりしてきた。
 一番上に書いた「きみが住む星」は、「ぼく」から「きみ」にあてる手紙によってつづられるもの。手紙は誰かたった一人にあてるものなのだけど、メールでもなく、ましてやLINEとは対極にある。手紙は誰かに向かいながら、自分に向かう。相手に届くまでに時間がある。届いてから返事があるまでにもっと時間がある。たぶん、手紙というメディアがもつ魅力はその「時間」であるに違いない。そんなメディアを、時間とともに、自分もそして社会も、どんどん失いつつある。
 年賀状にせめて一言・・きたない字でコメントを書くたびに、今年こそ会いましょうね、と。そうやって会いたい人に会う時間がちゃんととれる、そういう人生にしたいなと切実に感じる。年始にはほんとに! 
 星野道夫のエッセイの中にある、「ヘレン、人生で一番大事なものって何?」「友達だよ」という言葉は、常にどこかに頭にある。出会うことこと、人生。その出会いを形にしてのこしていくことこそ、人生の醍醐味。だから・・手紙を書こうって、年のはじめにはほんとに思うんだけど!!

★発表会やらクリスマスやら
先月の音楽集会に引き続き、みなみは、ピアノ発表会。ピアノだけじゃなくて、歌あり、ハープあり、さまざまなセッションあり・・。お母さんチーム(私も)は、ハンドベルも・・。 音楽集会と発表会とがんばりましたのディナーつき。
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そして忙しいクリスマス。みなみのところにサンタはきた。サンタに長い手紙を書いていた。ピアノの練習を一生懸命やりながら、「サンタさん見てるかな~」と言っていたのもちゃんとかなったというわけ。友達とのクリスマスパーティーも大盛り上がり。「こんなに12月が楽しいのははじめて!」というぐらいに、クリスマス色。
とうちゃんからは自転車、かあちゃんからはトトロのぬいぐるみ。そして、25日の朝に、蒼太が起きる前に「中学3年生になったので、みなみサンタがプレゼントあげる」と書いた手紙をつけて、プレゼントをおいていた。それをもらった蒼太は、学校から帰ってきたあと、わざわざ自転車でデパートまででかけて、みなみへのプレゼントを買っていた。
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<<2014年の振り返り>>
<とどける>
・病院がプラネタリウム
・space fantasy live(学校、文化ホール、ふれあいセンター、平和ミュージアム、企業研修会、音楽療法研究会、視覚障がい児の会、幼稚園、公開天文台、環境センター、など)
・講演(博物館館長研修、写真展ギャラリー、他)
・星つむぎの村で陸前高田

<つなぐ>
・「戦場に輝くベガ」滋賀県平和祈念館にて上映
・「Memories―ほしにむすばれて」おおみや宇宙劇場にて上映
・星の語り部活動(夕涼み投影、サイエンスアゴラ)
・ユニバーサルデザイン活動(研究会開催、字幕・副音声つきの番組制作、要約筆記プラネ)
・つなぐ人フォーラム
・プラネタリウムxアートワークのコラボレ(シバウラハウスでのイベント、サイエンスアゴラ、プラネタリウムワークショップ)
・小林真人ピアノリサイタル~25年の時空をこえて 実行委員長
・NYT5周年記念ライブ 出演

<つくる>
・プラネ番組「きみが住む星」
・プラネ番組「クイズ!教えてゼウスさま」(サポート)
・夕涼み投影
・アルリシャグッズ第一弾「ステラキャッチャー」
・懐メロでプラネ
・クリスマス星空コンサート
・スウェーデン大使館イベントのためのオーロラコンテンツ

<つたえる>
・プラネタリウム投影・大学講義(宇宙の科学、博物館経営論)
・「終わらない物語~戦場に輝くベガ」(星ナビ7月号)
・共同通信連載、他、コラムなど
・プラネタリウムスタッフ研修(神戸にて)
・JPA研修会にて分科会、模擬投影

by malicosmos_meme | 2015-01-02 21:15